おむすびや総菜などの家庭料理を中心とする和食料理店「YOHAKU(ヨハク)」(さいたま市桜区田島1)が7月20日、田島団地近くにオープンした。店内では飲食スペースを活用してフリースクールを運営するほか、放課後の時間帯には子どもが自由に立ち寄れる「第三の居場所」として開放する。
同店は、さいたま市立西浦和小学校でPTA会長を務める鈴木恵さんが開いた。学校に来られない子どもや、父母が忙しく家で一人になってしまう子どものために「何かできることはないか」と考え、一時的に子どもを預かったり、子ども自身が気軽に立ち寄れたりする場所を作ろうと決意した。
飲食店と一体型の店舗にしたのは、子どもたちが地域のさまざまな世代の人たちと、自然に関わることができる機会を作り出す狙いがあったという。鈴木さん自身も両親が忙しく、祖父母や近所の人たちに助けられて育った経験から、「地域の大人と子どもが交流できる場にしたい」と話す。YOHAKU(余白)の店名には、「疲れたときにここに来て、心に少しのゆとりを作ってほしい」との願いを込めたという。
スタッフは全員、鈴木さんに賛同し協力する同校の母親。それぞれの子育て経験を生かして接客や子どもの対応をしてくれるのが大きな力になっているという。「自分の子どもだけでなく、地域の子どものために頑張っているスタッフが多い」と鈴木さん。
開店に当たっては、こども食堂を何店舗か見に行ったが、カレーや豚汁を「ただ配っているだけ」の現状に違和感を覚えた。鈴木さんが感じた、こども食堂が抱える問題点や課題を踏まえつつ、「栄養のあるきちんとした食事ができる店を目指した」という。
メニュー作りや調理を担当するのも、鈴木さんを含む5人の母親。昼食・夕食ともに、埼玉県産の野菜や、鈴木さんの実家に近い鎌倉の鮮魚店から取り寄せる魚など、国産素材を使って手作りしたおかずと、土鍋で炊いたご飯を中心とした「和食」を提供する。「きんぴらごぼうやかぼちゃの煮物など、普通のものだけど、今はなかなか作らない。お母さんたちが作る家庭の味を食べに来てほしい」と呼びかける。お酒も国産をそろえ、鎌倉の紅茶店がブレンドした紅茶や、戸田の専門店から取り寄せるジェラートなど、飲み物やデザートにもこだわったという。
鈴木さんは、「あくまでここは、ゴールではなく通過点。今はスペースの都合でフリースクールの人数も限られているが、将来的にはフリースクールと一時利用できる学童を兼ねた施設を近くに作り、ここから弁当を届けられるシステムが作れたら」と意気込む。
営業時間は、昼食=11時30分~14時30分、カフェタイム=14時30分~17時30分、夕食=17時30分~22時30分。月曜定休。