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埼玉県立近代美術館で小村雪岱展 作品700点、過去最大規模の回顧展

学芸員の菊地真央さん(右から4番目)、篠原優さんと関係者

学芸員の菊地真央さん(右から4番目)、篠原優さんと関係者

 「密(ひそ)やかな美 小村雪岱(せったい)のすべて」が現在、埼玉県立近代美術館(さいたま市浦和区常盤9)で開催されている。主催は同館と毎日新聞社。

展覧会入り口 「密やかな美/小村雪岱のすべて」

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 大阪と千葉を巡回してきた同展は、同館でフィナーレを迎える。小村雪岱(1887~1940)は川越市で生まれ、東京美術学校(東京芸術大学の前身)で日本画を学び、53歳で亡くなるまで、本の装丁、小説の挿絵、歌舞伎の舞台装置、肉筆画、映画の時代考証など、大正から昭和初期にかけてさまざまな分野で活躍した。雪岱の描く繊細で江戸情緒ある女性像は、江戸時代の浮世絵師・鈴木春信を思わせ、「昭和の春信」とも呼ばれた。

 同館での雪岱展は、2009(平成21)年に開催した「小村雪岱とその時代 粋でモダンで繊細で」以来17年ぶり。多くの所蔵先の協力を得て、「質・量ともに過去最大規模」で雪岱の画業を紹介する。展示品のうち同館からは約190点を出品している。

 同展では雪岱の「人とのつながり」に着目し、時系列に沿った展示で画業の全貌を紹介する。小説家や役者の意図を的確にくみ、時には現地に足を運び、丁寧に描かれた作品は作家や役者の存在を立てながらも、「ひそやかに」雪岱の独自の世界観や美意識が貫かれている。その仕事は小説家の泉鏡花や邦枝完二、日本画家の鏑木清方や松岡映丘、歌舞伎役者の六代目尾上菊五郎ら、交流し協働した多くの文化人の信頼を得て大衆にも愛された。

 見どころは、雪岱の装丁家としてのデビュー作「日本橋」(泉鏡花著)や、大衆小説家の邦枝完二とのコンビで挿絵画家として名声を高めた小説「おせん」「お傳地獄」の挿絵下図・原画などの代表作。近年所在が明らかになった新聞連載小説「山海評判記」(泉鏡花著)や「江戸役者」(邦枝完二著)の挿絵原画は、所蔵先以外では初めての出品となる。泉鏡花の「鏡花選集」裏見返原画は、巡回展では同館でのみ展示する。

 学芸員の菊地真央さんは「小村雪岱の25年間の活動を8章に分け、約700点の作品・資料を前期・後期に分けてご覧いただけるまたとない機会。リピーター割引もあるのでぜひ何度でも足を運んでいただければ」と呼びかける。

 同展に合わせ、上映会や講演会、ミュージアム・カレッジ2026「小村雪岱の世界」(埼玉大学教養学部との共催)など、さまざまな関連事業を開催している。

 開館時間は10時~17時30分(展示室への入場は17時まで)。月曜休館(9月21日は開館)。観覧料は、一般=1,400円、大高生=1,120円、中学生以下無料。会期は、前期=8月16日まで、後期=8月18日~9月23日。前期と後期で展示替えあり。

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