動物を描き続けるアーティスト・柴崎優翔(ゆう)さんの個展「ぼくの色で出会ういきもの展~好きがつながる、カラフルないきものの世界~」が現在、イオン北浦和店跡地裏のカフェ「マーブルテラス」(さいたま市浦和区常盤10)で開催されている。
「幼稚園年少の頃から、毎日欠かさず動物の絵を描いている」という柴崎さん。この姿勢は、東武動物公園(宮代町)の整備スタッフとして勤務する現在も変わらない。母親の久美さんは「優翔が動物の絵を描いたのは言葉を発するよりも先だった」と振り返る。知的障害と自閉症スペクトラム症を持って生まれた優翔さんは「発語が遅かった」といい、「4歳で初めて発した言葉は『まま』。お母さんという意味の『ママ』かと思いきや『シマウマ』のことだった。ひらがなは手作りの動物かるたで覚えた。お出かけはいつも動物園や水族館だった」とも。
柴崎さんがタブレットで制作を始めたのはコロナ禍のとき。埼玉大学教育学部付属特別支援学校高等部に入学したものの休校やオンライン授業が続き、「気持ちが落ち着かない」日々を過ごしていた時、「撮りためた写真を使って、デジタルで絵を描いてみよう」と思いつき、絵を描き始めたという。年々、色の重ね方や描き込みは細かくなっており、今では作品が完成するまでに1カ月以上かかる。柴崎さんは「絵を描いている時は気分が良い。飽きたり嫌になったりしたこともない」と話す。
2度目の個展となる今回は、デジタル画を描き始めた2020年から2025年12月の「第16回埼玉県障害者アート企画展」で展示された作品までの20点を公開する。柴崎さんの「一押し作品」は「ライオン」。サブタイトルを「威風(いふう)」と付けた同作は一昨年、静岡県の日本平動物園で見たライオンを描いたもの。柴崎さんは「目の輝きや毛並みなど、本当に生きているかのように描き切った」と胸を張る。展示以外にも、プラスチック色鉛筆で描いた作品や過去作品をまとめたファイルも用意。動物ポストカード(200円)や缶バッジ(400円)などのオリジナルグッズもそろえる。
会場の「マーブルテラス」は、柴崎さんが高等部3年だった4年前に製品展示販売会をした「思い出の場所」でもある。「その頃は、ここで個展ができることになるとは考えてなかった。ご縁がとてもありがたい」と話し、「いろいろな方に作品を見てもらいたい。ご飯を食べたりお茶を飲んだりしながら、動物園にいるような気分になってもらえたら」と思いを込める。
営業時間は11時~17時。月曜・火曜定休。観覧無料。8月2日まで。