梅の収穫会が5月下旬から6月上旬にかけて3回、若手就農者の木曽大原(たいげん)さんが運営・管理する「木曽農園」(さいたま市桜区塚本)で開かれた。
親子など3日間で延べ100人以上が参加し、梅の実の収穫を楽しんだ。収穫会とは別の日に企画したワークショップでは、参加者が梅とハーブを組み合わせた梅ハーブシロップ作りに挑戦した。
木曽さんは埼玉県草加市出身。2019(平成31)年に埼玉大学教育学部卒業後、「地域に根差した自給的、有機的な暮らしがしたい」と県内で農業研修に参加。2022年に大学近くにある畑を借りて「木曽農園」を立ち上げ、新規就農者として専業農家になった。
育てた野菜は地域の飲食店に卸すほか、イベントなどでも販売している。「農地の減少や担い手不足など農業を取り巻く課題は地域全体の問題」と捉え、年間を通して農に関わるイベントを開くほか、地域の仲間と農村や農業の将来を考える活動にも取り組んでいる。
梅の収穫会もその一環で、木曽さんは同園近くにある約15本の梅の畑を所有者から借り受けて管理している。実った梅の収穫や加工を多くの人に体験してもらいたいと企画した。今年で5年目となり、年々参加者も増えてきた。
今年1回目の収穫会となった5月24日には10組30人ほどが参加。地面に落ちた梅や手が届く高さにある梅を思い思いに収穫した。高い所になった実は棒でつついたり、木に登り揺すったりして落とした。木を揺する木曽さんの姿を見た子どもたちも木に登って懸命に実を落とそうとするなど、にぎやかな光景が広がった。近所に住む韮澤忠則さんは初回から手伝いに入っており、今回も脚立を持って応援に駆け付けた。
さいたま市西区から初めて参加した福島雅子さんは「梅の実を店で買うこともあるが、自分の手で収穫した梅は最高。梅酒や梅シロップ、梅干しもいいが、梅じょうゆがお薦め」と話しながら、手を休めることなく実を収穫していた。北区から来た吉本貴幸さんと5歳の凛太朗君親子は3回目の参加。木に登れるようになるなど凛太朗君の成長を実感すると言い、「やはり自分で採ったものはおいしい」と吉本さんは話していた。
価格は1キロ900円。参加者は収穫した実を計量して持ち帰った。会場では農園で収穫したニンジンや季節の野菜類も販売した。
農業を通じて地域を盛り上げていきたいという木曽さん。「この地区は引き継げなくなっている農地が多くなっており、資材置き場に変わるなど、地域社会が年々変わってきてる。地元・塚本の方々やさいたま市民と一緒に農地を次の世代に引き継いでいける仕組みを作っていきたい。地主や近隣の方々にサポートいただき、温かく見守っていただくおかげで毎年、梅の収穫会を行うことができている。感謝している」と話す。