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南浦和で「佐藤国男 木版画展」 宮沢賢治の世界から「生きる力強さ」を

木版画を中心に17点を展示する

木版画を中心に17点を展示する

 版画家で「山猫工房」(北海道函館市)を運営する佐藤国男さんの作品展「宮沢賢治の世界を彫り続けて半世紀 佐藤国男 木版画展」が現在、南浦和の古書店「ゆとぴやぶっくす」(さいたま市南区文蔵2)で開催されている。

(左から)「ゆとぴやぶっくす」店主の栃原麦穂さんと、「ゆとぴやぶっくすファンの人はもちろん、ふらりと立ち寄る人も歓迎」と話す「さきっちょ」店主の越野陽子さん

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 1952(昭和27)年に北海道北桧山町(現せたな町)で生まれた佐藤さん。東洋大学文学部で学んだ後、大工業に従事しながら、20代半ばごろから宮沢賢治の童話を題材にした版画を作り始め、1997(平成9)年に版画家として独立。以後、「銀河鉄道の夜」(北海道新聞社)、「オツベルと象」(子どもの未来社)など宮沢賢治の作品を中心に約20冊の挿絵を手がけた。現在も、北海道のホオの木やイチイの木を使い、年輪や木目の曲線を生かしながら登場人物の弱さ、強さ、温かさを力強くも繊細に彫り上げる作風で、版画を作り続けている。

 同展は、さいたま市浦和区で靴下と生活雑貨の店「さきっちょ」を営む越野陽子さんが企画した。佐藤さんと同じ北海道出身の越野さんは4月、全国各地を巡って佐藤さんの木版画をはじめ、アイヌ文様の刺しゅう小物や切り子ガラスなど、北海道の民芸を紹介・展示する企画を始めた。北九州、下関と西日本を回り浦和に戻った後、たまたま同店の「選書サービス」を利用した際に店の雰囲気が気に入り、店主の栃原麦穂さんに相談したという。栃原さんは「うちで展示をやるのは珍しいが、本に囲まれた空間で宮沢賢治の世界に浸ってもらえたら」と快諾。企画から1カ月ほどで開催にこぎ着けた。

 会場は木版画12点に加え、ガラスの上に「シルクスクリーン」という技法でモチーフを刷り、背景に金箔(きんぱく)や銀箔(ぎんぱく)を貼って仕上げる「ガラス絵」5点を展示する。版画に合わせた額縁も佐藤さんの手作りによるもの。作品は全て販売も行う。併せて、宮沢賢治の絵本やポストカードも販売する。

 開催前日、展示の準備を終えた越野さんは「宮沢賢治の童話の世界に魅せられ半世紀にわたり版画を作り続けている佐藤さんは本当にすごい。宮沢賢治の絵本は知っていても、その挿絵を誰が描いたかを知る人は少ない。もっと多くの人に知ってもらえたら」と話す。「もともとは絵描きになるのが夢だったという佐藤さん。それはかなわなかったが、大工の経験を生かし、宮沢賢治の童話の世界を版画にすることで絵描きになる夢を進化させた。曲がったり、ねじれたりした木のありのままの形を生かす作風は、紆余(うよ)曲折を経てきた佐藤さんの生き方とも重なる。登場人物の姿を通して、自分らしく生きる力強さを感じてほしい」とも。

 開催時間は12時~19時。入場無料。6月7日まで。

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