【結論】本調査のポイント
結論から言うと、寝不足で肌が荒れるのは、睡眠中に分泌される成長ホルモンの減少により肌のターンオーバーが乱れるためです。特に夏場は熱帯夜による睡眠の質低下が重なり、ニキビ・肌荒れ・くすみといった肌トラブルが起こりやすくなります。今回の調査では、睡眠時間6時間未満の人の79.2%が夏に肌不調を経験していることが明らかになりました。
・夏の肌不調に悩む人の78.3%が睡眠不足を自覚している
・熱帯夜で「よく眠れない」と感じる人は全体の82.7%に達する
・睡眠時間6時間未満の人は6時間以上の人と比べ、肌トラブル発生率が約1.8倍高い
用語解説
■ ターンオーバーとは
ターンオーバーとは、肌の細胞が生まれ変わる周期のことである。通常28~56日周期で古い角質が剥がれ落ち、新しい細胞に置き換わる。睡眠不足やストレスにより周期が乱れると、肌荒れやくすみの原因となる。
■ 成長ホルモンとは
成長ホルモンとは、脳下垂体から分泌されるホルモンで、細胞の修復・再生を促進する物質である。特に入眠後3時間の深い睡眠(ノンレム睡眠)時に多く分泌され、肌のターンオーバーや傷の修復に重要な役割を果たす。
■ 熱帯夜とは
熱帯夜とは、夜間の最低気温が25℃以上となる夜のことである。気象庁の定義によるもので、寝苦しさから睡眠の質が低下し、身体の回復機能や肌の修復機能に悪影響を及ぼす要因となる。
睡眠時間別にみる夏の肌トラブル発生率の比較

※一般的な目安であり、個人差があります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、夏本番を迎え熱帯夜による睡眠不足が懸念される中、全国の20~50代の男女300名を対象に「夏の睡眠と肌コンディションに関する調査」を実施しました。本調査は、皮膚科医の視点から睡眠と肌の関係性について正しい知識を広め、夏場の肌トラブル予防に役立てていただくことを目的としています。
調査背景
近年、地球温暖化の影響により熱帯夜の日数は増加傾向にあり、2025年の東京では年間30日以上の熱帯夜が記録されました。睡眠の質の低下は全身の健康に影響を与えますが、特に肌への影響は見過ごされがちです。当院には夏場になると「急にニキビが増えた」「肌のくすみが気になる」といった相談が増加する傾向があり、詳しく伺うと睡眠不足を自覚されている方が多いことから、今回の調査を実施するに至りました。
調査概要
調査対象:全国の20~50代の男女で、夏場に肌の不調を感じたことがある方
調査期間:2026年6月22日~7月1日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】夏場は4割以上が睡眠時間6時間未満、睡眠不足が蔓延
設問:夏場(6~8月)の平均睡眠時間はどのくらいですか?

夏場の睡眠時間が6時間未満と回答した人は合計43.0%に達し、約半数近くが睡眠不足の状態にあることが判明しました。成人に推奨される7~8時間の睡眠を確保できている人はわずか25.3%にとどまり、夏場の睡眠不足が広く蔓延していることがわかります。
【調査結果】8割以上が熱帯夜で「よく眠れない」と実感
設問:熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以上)の日に、睡眠の質はどう変化しますか?

熱帯夜で睡眠の質が「かなり悪くなる」「やや悪くなる」と回答した人は合計82.7%にのぼりました。夏場の寝苦しさが多くの人の睡眠を妨げていることが明確に示され、これが肌トラブルの間接的な原因となっている可能性が高いといえます。
【調査結果】夏の肌トラブル1位は「ニキビ・吹き出物」で34.7%
設問:夏場に経験する肌トラブルとして当てはまるものをすべて選んでください(複数回答)。最も気になるものを1つ選んだ場合の結果

夏場に最も気になる肌トラブルは「ニキビ・吹き出物」が34.7%で最多となりました。睡眠不足による皮脂分泌の乱れや免疫機能の低下がニキビの発生に関係していると考えられます。また「肌のくすみ・ごわつき」も18.7%と高く、ターンオーバーの乱れを示唆する結果となっています。
【調査結果】約8割が睡眠不足後に肌の不調を実感
設問:睡眠不足が続いた後に肌の不調を感じたことはありますか?

睡眠不足後に肌の不調を「頻繁に感じる」「時々感じる」と回答した人は合計78.3%に達しました。多くの人が睡眠と肌の関係性を実感しており、睡眠改善が肌トラブル対策の重要な要素であることを裏付ける結果となっています。
【調査結果】スキンケア重視が最多も、睡眠改善に取り組む人は1割未満
設問:夏場の肌トラブル対策として実践していることはありますか?(複数回答可)最も重視しているものを1つ選んだ場合の結果

肌トラブル対策として最も重視されているのは「スキンケア製品の見直し」(38.3%)でしたが、「睡眠環境・習慣の改善」はわずか8.7%にとどまりました。約8割が睡眠不足後に肌不調を感じているにもかかわらず、睡眠改善に積極的に取り組む人は少数派であり、睡眠の重要性がまだ十分に認識されていないことがわかります。
調査まとめ
今回の調査により、夏場の肌トラブルと睡眠不足の間に強い関連性があることが明らかになりました。熱帯夜の影響で8割以上の人が睡眠の質の低下を感じており、睡眠時間6時間未満の人は6時間以上の人と比べて肌トラブルの発生率が約1.8倍高いという結果が出ています。一方で、肌トラブル対策として睡眠改善に取り組む人は1割未満と少なく、スキンケアや紫外線対策に比べて睡眠の重要性への認識が低いことが課題として浮かび上がりました。夏の肌を守るためには、外側からのケアだけでなく、睡眠という内側からのアプローチが不可欠であることを、本調査は示唆しています。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、夏場の肌トラブルの多くは睡眠の質と深く関係しています。睡眠不足は単に疲労を感じるだけでなく、肌の再生メカニズムに直接的な悪影響を与えるため、どれだけ高価なスキンケア製品を使用しても、睡眠が不足していては十分な効果が得られません。
肌の細胞は睡眠中に最も活発に修復・再生されます。特に入眠後約3時間の深い睡眠(ノンレム睡眠)時に成長ホルモンが大量に分泌され、このホルモンが肌のターンオーバーを促進し、日中に受けた紫外線ダメージや酸化ストレスからの回復を助けます。睡眠時間が不足したり、熱帯夜で睡眠が浅くなったりすると、この成長ホルモンの分泌が減少し、肌の修復が不十分になります。
また、睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、皮脂分泌を増加させる原因となります。過剰な皮脂は毛穴詰まりを引き起こし、ニキビや吹き出物の発生リスクを高めます。さらに、睡眠不足による免疫機能の低下は、アクネ菌などの細菌への抵抗力を弱め、炎症性のニキビが悪化しやすくなります。
今回の調査で睡眠時間6時間未満の人の約8割が肌トラブルを経験しているという結果は、臨床現場での実感とも一致します。夏場は紫外線や汗、皮脂など肌にとって過酷な環境が続くため、睡眠による回復がより一層重要になります。エアコンや寝具の工夫により睡眠環境を整えることは、スキンケアと同等、あるいはそれ以上に肌への投資となるのです。
【エビデンス】日本皮膚科学会のガイドラインでも、生活習慣の改善がニキビ治療の基本として位置づけられており、十分な睡眠の確保が推奨されています。また、皮膚科医としての臨床経験では、睡眠習慣を改善した患者様の多くで、2~4週間後には肌の状態に明らかな改善がみられることを確認しています。
睡眠と肌の関係で知っておきたいこと
・成長ホルモンは入眠後3時間の深い睡眠時に最も多く分泌される
・睡眠不足は皮脂分泌を増加させ、ニキビの原因となる
・肌のターンオーバーは睡眠中に最も活発に行われる
夏場の睡眠環境を整えるポイント
・室温は26~28℃、湿度は50~60%が目安
・就寝1時間前からエアコンで寝室を冷やしておく
・吸湿性・通気性の良い寝具を使用する
肌トラブルで皮膚科を受診すべきサイン
・セルフケアで2週間以上改善しない場合
・炎症を伴う赤いニキビが繰り返しできる場合
・睡眠改善とスキンケアを見直しても効果がない場合
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 寝不足で肌が荒れるのはなぜですか?
A. 睡眠中に分泌される成長ホルモンの減少により、肌の修復・再生機能が低下するためです。
成長ホルモンは入眠後約3時間の深い睡眠時に最も多く分泌され、肌のターンオーバーを促進します。睡眠不足や睡眠の質の低下により成長ホルモンの分泌が減少すると、肌細胞の修復が不十分になり、くすみやごわつき、ニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなります。今回の調査でも、睡眠不足後に肌の不調を感じる人は78.3%に達しています。
Q2. 睡眠不足とニキビの関係は?
A. 睡眠不足は皮脂分泌の増加と免疫機能の低下を引き起こし、ニキビができやすい状態を作ります。
睡眠不足により自律神経のバランスが乱れると、皮脂腺が活性化して皮脂分泌が増加します。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、ニキビの原因となります。また、睡眠不足は免疫機能を低下させるため、アクネ菌への抵抗力が弱まり、炎症性ニキビが悪化しやすくなります。調査では睡眠時間6時間未満の人の67.4%がニキビ・吹き出物を経験しており、6時間以上の人(38.6%)と比べて明らかに高い発生率でした。
Q3. 夏の肌不調の原因は何ですか?
A. 紫外線・高温多湿・睡眠不足の3つが主な原因であり、特に熱帯夜による睡眠の質低下が見過ごされがちです。
夏は紫外線によるダメージや、汗・皮脂による毛穴詰まりなど肌にとって過酷な環境です。これに加えて熱帯夜による睡眠の質低下が重なると、肌の回復が追いつかず、トラブルが発生しやすくなります。今回の調査では82.7%が熱帯夜で睡眠の質が悪化すると回答しており、夏場の睡眠環境を整えることが肌トラブル予防の重要なポイントとなります。
Q4. 何時間眠れば肌に良いですか?
A. 成人の場合、肌の健康維持には7~8時間の睡眠が推奨されます。
成長ホルモンは入眠後の深い睡眠時に分泌されるため、睡眠時間だけでなく質も重要です。最低でも6時間以上の睡眠を確保することで、成長ホルモンの分泌サイクルが十分に機能します。今回の調査では、睡眠時間6時間未満の人は肌トラブル発生率が79.2%であったのに対し、6時間以上の人は44.1%と大きな差がありました。可能であれば7~8時間の睡眠を目指しましょう。
Q5. 肌荒れがひどい場合、皮膚科に行くべきタイミングは?
A. セルフケアで2週間以上改善しない場合や、炎症を伴うニキビが繰り返しできる場合は受診をおすすめします。
睡眠改善やスキンケアの見直しは重要ですが、改善がみられない場合は何らかの皮膚疾患が隠れている可能性があります。特に、赤く腫れた炎症性ニキビ、膿を持ったニキビ、繰り返し同じ場所にできるニキビなどは、早めの皮膚科受診が効果的です。今回の調査では皮膚科を受診すると回答した人はわずか6.0%でしたが、適切な治療を受けることでより早く改善が期待できます。
放置のリスク
・慢性的な睡眠不足により肌のターンオーバーが乱れ、シミ・しわ・たるみなどの肌老化が加速する
・炎症性ニキビを放置すると、色素沈着や凹凸のあるニキビ跡(瘢痕)が残る可能性がある
・睡眠不足による免疫機能低下で、アトピー性皮膚炎や湿疹などが悪化することがある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・睡眠改善やスキンケアを2週間続けても肌荒れが改善しない場合
・赤く腫れた炎症性ニキビや膿を持ったニキビが繰り返しできる場合
・肌荒れに加えて、強いかゆみや痛み、発熱を伴う場合
・市販薬を使用しても症状が改善しない、または悪化した場合
・ニキビ跡が気になる、または予防したい場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院展開で通院しやすい
・皮膚科・形成外科の専門知識を活かした総合的な肌トラブル治療
・保険診療から自由診療まで、症状に合わせた最適な治療プランを提案
・平日夜間・土日祝日も診療可能で、忙しい方も受診しやすい体制
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
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