【結論】本調査のポイント
口の周りにできる水ぶくれとニキビの見分け方は、水ぶくれが複数個かたまって出現し、かゆみやピリピリ感を伴う場合は口唇ヘルペスの可能性が高いです。口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスが神経節に潜伏し続けるため、疲労やストレス、紫外線などの刺激で繰り返し再発します。口角がただれる口角炎は、乾燥や細菌・真菌感染、ビタミンB群の不足などが原因であり、保湿ケアと栄養バランスの改善が治療の基本となります。
・口の周りの水ぶくれを「ニキビ」と勘違いした経験がある人が57.3%
・口唇ヘルペスの再発経験者のうち年3回以上再発する人が41.7%
・口唇ヘルペス発症時に適切な治療を受けている人はわずか28.3%
用語解説
■ 口唇ヘルペスとは
口唇ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の感染により、唇やその周囲に水ぶくれ(水疱)ができる感染症である。一度感染するとウイルスは三叉神経節に潜伏し、免疫力低下時に再活性化して繰り返し発症する特徴を持つ。
■ 口角炎とは
口角炎とは、口角(唇の両端)に生じる炎症性の皮膚疾患である。乾燥、細菌・カンジダ菌感染、ビタミンB群欠乏、アトピー性皮膚炎などが原因となり、発赤・亀裂・びらんを生じる。
■ 抗ヘルペスウイルス薬とは
抗ヘルペスウイルス薬とは、ヘルペスウイルスの増殖を抑制する薬剤である。アシクロビル、バラシクロビルなどがあり、内服薬・外用薬として口唇ヘルペスの治療に用いられる。発症早期の使用が効果的である。
口唇ヘルペスとニキビの見分け方比較

※一般的な目安であり、個人差があります。症状が判断できない場合は皮膚科への受診をお勧めします。
皮膚科・形成外科を専門とするアイシークリニック(医療法人社団鉄結会、新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、6月4日から10日までの「歯と口の健康週間」に合わせて、口の周りの皮膚トラブルに関する意識調査を実施いたしました。
調査背景
6月4日から10日は「歯と口の健康週間」です。歯や歯茎の健康だけでなく、唇や口の周りの皮膚トラブルも口腔領域の健康に深く関わっています。特に口唇ヘルペスは日本人の約7~8割が感染しているとされ、再発を繰り返す方も少なくありません。しかし、口の周りにできる水ぶくれをニキビと勘違いし、適切な治療を受けていない方が多いことが臨床現場では指摘されています。そこで当院では、口周りの皮膚トラブルに関する認識と対処行動の実態を明らかにするため、本調査を実施いたしました。
調査概要
調査対象:口の周りに水ぶくれやできものができた経験がある全国の20~60代の男女
調査期間:2026年5月18日~5月27日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】約6割が口の周りの水ぶくれをニキビと勘違いした経験あり
設問:口の周りにできた水ぶくれを「ニキビ」だと思った経験はありますか?

57.3%の方が口の周りの水ぶくれをニキビと勘違いした経験があることが判明しました。口唇ヘルペスとニキビは発症部位が近いため混同されやすく、適切な治療開始の遅れにつながっている可能性があります。
【調査結果】正しく見分けられる人はわずか23.7%
設問:口唇ヘルペスとニキビの違いを正しく説明できますか?

口唇ヘルペスとニキビの違いを正しく説明できる人は23.7%にとどまり、38.0%が違いがわからない、または口唇ヘルペス自体を知らないと回答しました。疾患への理解不足が誤った自己判断につながっていると考えられます。
【調査結果】再発経験者の4割以上が年3回以上の再発を経験
設問:口唇ヘルペスの再発頻度はどのくらいですか?(再発経験者のみ)

再発経験者のうち41.7%が年3回以上の再発を経験しており、頻回な再発に悩まされている方が多いことがわかりました。再発予防のための生活習慣改善や、症状出現時の早期治療の重要性が示唆されます。
【調査結果】適切な医療機関受診は28.3%、市販薬に頼る人が最多
設問:口唇ヘルペスの症状が出たときの対処法はどうしていますか?

皮膚科を受診する人は28.3%にとどまり、市販薬で対処する人が35.7%、自然治癒を待つ人が22.3%という結果でした。口唇ヘルペスは発症後72時間以内の抗ウイルス薬投与が効果的とされており、早期受診の啓発が必要です。
【調査結果】口角炎経験者は68.7%、しかし原因を正しく理解している人は31.3%
設問:口角炎(口角のただれ・切れ)の経験と原因の認識について教えてください。

68.7%が口角炎の経験があると回答しましたが、原因を正しく理解しているのは経験者の約半数にとどまりました。口角炎は乾燥やビタミン不足、感染症など複合的な原因があり、原因に応じた適切な治療が必要です。
調査まとめ
本調査により、口の周りの水ぶくれをニキビと勘違いする人が57.3%にのぼり、口唇ヘルペスとニキビの違いを正しく理解している人はわずか23.7%であることが明らかになりました。また、口唇ヘルペス再発経験者の41.7%が年3回以上の再発に悩まされているにもかかわらず、発症時に皮膚科を受診する人は28.3%にとどまっています。さらに、口角炎についても68.7%が経験しながら、原因を正しく理解している人は限定的でした。これらの結果から、口周りの皮膚トラブルに対する正しい知識の普及と、適切な受診行動の啓発が重要であることが示されました。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、口唇ヘルペスは適切な治療と予防対策により、再発頻度を大幅に減らすことが可能です。症状が出たら「ニキビかな」と放置せず、早期に皮膚科を受診することが重要です。
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)による感染症で、日本人の約70~80%が感染しているとされています。一度感染するとウイルスは三叉神経節に潜伏し続け、完全に排除することはできません。疲労、ストレス、発熱、紫外線、月経前などの免疫力低下時に再活性化し、繰り返し発症します。
口唇ヘルペスの特徴的な症状は、発症前の「ピリピリ」「チクチク」という前駆症状です。この段階で治療を開始すると、症状を軽く抑えられることが多いです。ニキビとの違いは、複数の小さな水疱が集まって出現すること、唇と皮膚の境目にできやすいこと、かゆみを伴うことなどが挙げられます。
口角炎については、乾燥による亀裂、カンジダ菌や細菌の感染、ビタミンB2・B6・鉄の不足、唾液による浸軟などが原因として挙げられます。原因によって治療法が異なるため、繰り返す場合は皮膚科での診断を受けることをお勧めします。
治療においては、抗ヘルペスウイルス薬の内服または外用が基本となります。発症から72時間以内、特に前駆症状の段階で治療を開始することが効果的です。頻回に再発する方には、予防的に抗ウイルス薬を服用する「再発抑制療法」も選択肢となります。
【エビデンス】日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、口唇ヘルペスに対する抗ヘルペスウイルス薬の有効性が示されており、早期治療開始が推奨されています。また、再発頻度が年6回以上の方には再発抑制療法の適応が検討されます。
口唇ヘルペスの再発予防のポイント
・十分な睡眠とストレス管理で免疫力を維持する
・紫外線対策として唇にもUVカットリップを使用する
・発熱や風邪の際は特に注意し、前駆症状を見逃さない
・頻回再発者は皮膚科で再発抑制療法を相談する
口角炎の予防と改善のポイント
・唇をなめる癖を控え、保湿リップで乾燥を防ぐ
・ビタミンB群(B2・B6)を含む食品を積極的に摂取する
・口角が切れた場合は清潔を保ち、ワセリンで保護する
・2週間以上改善しない場合は皮膚科を受診する
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 口唇ヘルペスとニキビの見分け方は?
A. 複数の水疱が集まり、ピリピリ感を伴う場合は口唇ヘルペスの可能性が高いです。
今回の調査では、口の周りの水ぶくれをニキビと勘違いした経験がある人が57.3%にのぼりました。見分けるポイントは、口唇ヘルペスは複数の小さな水疱が集まって出現し、発症前にピリピリ・チクチクという前駆症状を伴うことです。また、唇と皮膚の境目にできやすい特徴があります。判断に迷う場合は皮膚科への受診をお勧めします。
Q2. 口唇ヘルペスはなぜ繰り返し再発するの?
A. 一度感染したウイルスが神経節に潜伏し、免疫力低下時に再活性化するためです。
口唇ヘルペスの原因である単純ヘルペスウイルスは、感染後も体内から完全に排除されず、三叉神経節に潜伏し続けます。調査では再発経験者の41.7%が年3回以上の再発を経験していました。疲労、ストレス、発熱、紫外線、月経前などをきっかけにウイルスが再活性化し、症状が繰り返し現れます。
Q3. 口唇ヘルペスは市販薬で治せる?
A. 軽症であれば市販の抗ヘルペス外用薬で対処可能ですが、重症や頻回再発の場合は受診が推奨されます。
調査では市販薬で対処する人が35.7%と最も多い結果でした。市販の抗ヘルペス外用薬(アシクロビル軟膏など)は軽症の再発に有効ですが、初感染や重症例、頻回に再発する場合は内服薬による治療が効果的です。皮膚科を受診する人は28.3%にとどまっており、早期受診による適切な治療開始が推奨されます。
Q4. 口角炎の原因と治し方は?
A. 乾燥、感染、栄養不足などが原因であり、原因に応じた治療と保湿ケアが基本です。
調査では口角炎経験者が68.7%にのぼりましたが、原因を正しく理解している人は31.3%でした。口角炎の原因は、乾燥による亀裂、カンジダ菌や細菌感染、ビタミンB2・B6・鉄の不足、唾液による浸軟など多岐にわたります。保湿リップでの予防と栄養バランスの改善が基本ですが、2週間以上改善しない場合は皮膚科で原因を特定することが重要です。
Q5. 口唇ヘルペスの人にキスや食器の共有をしても大丈夫?
A. 症状が出ている時期は感染力が高いため、接触や食器の共有は避けるべきです。
口唇ヘルペスは水疱やびらんがある時期に最もウイルスを排出しており、直接接触やタオル・食器の共有で感染する可能性があります。特に乳幼児や免疫力が低下している方への感染には注意が必要です。症状が完全に治まり、かさぶたが取れた後は感染力は大幅に低下しますが、症状出現中は接触を控えることが推奨されます。
放置のリスク
・口唇ヘルペスを放置すると症状が重症化し、治癒まで2週間以上かかることがある
・水疱を触った手で目を触ると、角膜ヘルペスを発症し視力障害につながる恐れがある
・口角炎を放置すると細菌やカンジダの二次感染が起こり、慢性化する可能性がある
・新生児や免疫不全者への感染は重篤な全身感染症につながるリスクがある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・唇の周りにピリピリ感を感じ、水疱が出始めた場合(早期治療が効果的)
・年に3回以上口唇ヘルペスが再発する場合
・口角炎が2週間以上改善しない場合
・水疱が広範囲に広がった場合や発熱を伴う場合
・目の周りに症状が出た場合は緊急で眼科・皮膚科を受診
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚科専門の医師が口唇ヘルペス・口角炎の診断と治療を行います
・抗ヘルペスウイルス薬の内服・外用による適切な治療を提供
・頻回再発の方への再発抑制療法についても相談可能
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で、土日祝も診療対応
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