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さいたまに「自然派」フリースクール 不登校専門訪問看護師が開く

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 フリースクール「はぐくみの木」(さいたま市桜区西堀8)が5月1日、開校した。不登校専門訪問看護と「自然派」フリースクールの両面から「不登校」をサポートする同施設。はぐくみの家を拠点に、「自然派フリースクールはぐくみの木」が運営する。

参加者も近所の人もみんなで「とん・てん・かん」

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 「はぐくみの木」代表の見岳(みたけ)亮一郎さんは自衛隊の看護学校を卒業後、衛生兵として東日本大震災に出動した。兵庫県の総合病院手術室に10年ほど勤務し、自身の子育てへの反省から、親と子どもに関わる仕事をしたいと保育園に転職。保育士資格も取得する。2021年に「小児精神科」の訪問看護事業をスタートし、さまざまな事情を抱える家庭を訪問した。祖父の実家を引き継ぐために兵庫県伊丹市からさいたま市に移住して「はぐくみの木」を開校した。

 不登校専門訪問看護は、不登校の子どもの自宅に行き、一緒に遊びの時間を過ごす活動。基本は1回30分ほどで、週3回行う。医療保険適用のため「子育て支援医療費受給資格者証」で自己負担金はなく利用できる。

 「はぐくみの木」と協働して活動に参画する「ここから小児訪問看護ステーション」(川口市)代表の牧田拓也さんは「不登校、発達障がい、起立性調節障がいに悩む子どもと親のサポートのためにスタートした小児特化の訪問看護。遊びを通した信頼関係を構築し、親が心の荷物を降ろしてホッとできる家庭を作れるような支援を目指す。自分を大事にできる気持ちの土台を作るサポートをしていきたい」と話す。

 同施設でははだしに近い足裏を鍛えるサンダルを履いて活動する。朝9時に「はぐくみの家」に集合。午前中は対話や学びの時間。12時には子どもたちと一緒に昼食を作って食べ、午後は外へ出かけ、15時に解散の流れで一日を過ごす。イベントも開く。公園で開催された「目的のないとん・てん・かん」というDIYイベントの体験会では、子どもたちが工具を手に思い思いの工作をして楽しんだ。「手仕事は自己肯定感を高め、子どもたちの心身の成長にとても大切な要素。はぐくみの木では、穴の空いた服があれば持ってきて一緒に縫い、みそや梅干し、干し柿も一緒に作る」と見岳さんは話す。

 「学校というレールを降りて道なき道を歩き始めた子どもたちが、自分で世界に踏み出せるように、初めの一歩になるように――そんな学び場になれたら」と見岳さんは意気込む。

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