陶芸家・長谷川正治さんと松浦唱子さんによる陶芸市「ミニやきものまつり」が9月25日~27日の3日間、器ギャラリー「ハセガワ」(さいたま市南区沼影1)で開催された。
同イベントは今回で92回目。陶芸工房「enfab(エンファブ)」(千葉県富津市)を運営する長谷川さんと妻・松浦さんが企画する。2000(平成12)年に長谷川さんの地元である現在の場所にギャラリーを構え、当初は毎日営業していたが、2011(平成23)年の東日本大震災で工房が被害を受け、「悠長にやっていられない」とイベントを開催するようになり、今年で15年目となる。コロナ禍以降はギャラリーの開店日を限定し、現在は隔月で3日間のみ営業している。
今回は「秋の器」をテーマに、「料理をしたくなる器や盛り付けが楽しくなる器」をそろえた。2人の作品のほか、2人が作家活動を始めた愛知県常滑市の工房時代の仲間の作品、「益子陶器市」に出店する「よこみち作家テント」の作品など約10人の作家の作品を展示。店頭では、アウトレットセールや、豆皿や箸置きが出る「やきものガチャ」なども用意し、長谷川さんが焙煎(ばいせん)した「沼影珈琲(コーヒー)」も販売する。長谷川さんは「陶芸も焙煎も混ぜて焼いて変化して、どうなるのか知るのが好き」と話す。
ギャラリー内には長谷川さんの色とりどりの器や、松浦さんが制作する猫をモチーフにした作品などが並ぶ。長谷川さんの新作として、鮮やかなピンク色の器も並ぶ。「毎回何かは新しい物を入れている。材料が変わってこのような色も出せるようになった」と話す。期間中には陶芸体験教室も開催。2人から直接、手びねりでの制作を教わることができ、教室をきっかけに初めてギャラリーに来店する人も多いという。
20代半ばまでさいたま市で過ごしたという長谷川さん。同所で祖父が工場「金剛製作所」を創業したのが70年前。当時事務所として使われていた場所を、2000年からギャラリーに改装した。「かつては大里小学校の児童が顔を出すこともあった。展示の仕方を変えた方がいいよと言われたりもした」と笑顔で当時を振り返る。
「焼き物は長く続ければ続けるほどいろいろな物ができる世界」と話す長谷川さん。同イベントも続けていく予定だという。「敷居が高いと思われているかもしれないが、偶然通りかかった人にも立ち寄ってもらえたら。分からないことは何でも聞いてほしい」と長谷川さん。松浦さんも「焼き物に興味のない人にも気軽に来てほしい。眺めるだけでも楽しんでもらえたら」と呼びかける。
次回開催は11月27日~29日。