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川口の古道具買い取り・販売「senkiya ATONIMO」が1周年 古い物と文化「後にも」つなぐ

セブンアート1周年イベントで「フォント草間展」。アトニモ店内のPOPは全て草間さんの直筆によるもの

セブンアート1周年イベントで「フォント草間展」。アトニモ店内のPOPは全て草間さんの直筆によるもの

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 古材や古道具の買い取り・販売の店「senkiya ATONIMO(センキヤ アトニモ)」(川口市源左衛門新田)が7月11日で1周年を迎える。

コンビニ跡を利用したセブンアート

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 コンビニ跡の建物をリノベーションして、新町レコード(レコードの販売・買い取り、国産クラフトビール販売)、木風堂kippudo3(木材・木工品の販売)、BRUNSWICK KITCHEN & COFFEE(窯焼きピザやコーヒーなど販売)と共に4店で「セブンアート」としてオープンした同店。

 店主は近くでカフェ、雑貨店、ギャラリーを営む「senkiya」(石神)店主の高橋秀之さん。高橋さんは古い物が好きで建築建材のリサイクルショップ「リビセン(リビルディングセンタージャパン)」(長野県諏訪市)の活動に共鳴し、「長く使われてきた古材や古道具が役目を終えた『後にも』少しでも次の人につなげていきたい」とアトニモを始めた。同店では「レスキュー」と呼び、古材や古道具を買い取り販売している。

 アトニモが「レスキュー」するのは、築50年以上が経過した古民家の古材や、1960年代~1970年代の古道具が多いという。古道具の市場への買い付けなどは行わず、解体される住宅の持ち主からの依頼を元に聞き取りを行い、古道具や古材を買い取る。家の中を片付けたいといった小規模な依頼に対応することも。骨董(こっとう)店が買い取りそうなものは骨董店の知人を呼び査定してもらう。その中で、はねられてしまう物を欲しい人につなげるのが同店の役目。

 スタッフの草間翔太さんは「1960~1970年代のものや面白いと思うものを、少しでも次の誰かにつないでいけたら。倉庫が無いので買い取りは厳選し、次の誰かの元に循環しやすくするために販売価格を抑えて設定している。アトニモは古道具店とリサイクルショップの中間にあるような立ち位置の店」と話す。

 古民家の建具は個々の家に合わせて作られたものでサイズも異なり、そのまま建具として再利用するのは難しい。そうした古材を次につないでいくため、作家に依頼して壁に飾る額にしたり、新しい材と組み合わせて古い脚を取り付け、椅子にアップサイクルしてもらったりして販売している。

 「モノだけではなく依頼者の思いや昔あった文化も少しでも継承していけたら。家の片付けや解体で捨てられてしまう古い物があれば、気軽に相談してもらえたら」と草間さんはほほ笑む。

 7月11日まで1周年を迎えるセブンアート内4店が企画し、クラフトビール醸造所「グロウブリューハウス」(西川口)の協力のもと、地元の「源左衛門農場」のトマトを使いセブンアート1周年記念オリジナルクラフトビール「TOMATO?VEGETABLE ALE」を販売。セブンアートにちなんで、7種類のホップをいれた。タップと瓶で提供する。

 期間中、アトニモでは「フォント草間展」を開催するほか、各店舗もイベントを開催する。

営業時間10時~18時30分。月曜・火曜定休。

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