コロナ禍の学生を支援する「100円食堂」が現在、埼玉大学(さいたま市桜区)で行われている。
今年6月に「メリンちゃんスペシャルカレー」を無料で約5000食提供した第1弾に続き2回目となる同企画。坂井貴文学長が、長引くコロナ禍で経済的に不安を感じる学生を支援し元気付けるために企画した。
食堂内で翌1週間分の食券を配布しており、2カ所の食堂で1日当たり90食ずつ提供する。同大生であれば誰でも利用することができ、1人当たりの利用回数に制限はない。食事は栄養バランスの取れた定食や丼など日替わりのメニューとなっている。
同大も多くの大学と同様、新型コロナウイルス感染症の流行に伴って講義はオンラインとなり、一時は学内立ち入りが禁止となり、学内に学生がいない状態が続いていたという。現在は、対面の講義が増えたもののオンラインの講義も続き、コロナ前に比較すると大学に来る学生の数はまだ少ない。坂井学長は「学生の皆さんが大学に来て、学食で食べてくれてうれしい。コロナもまだどうなるかは分からないが、少しでも以前の活気ある大学生活が戻ってきてくれたら」と話す。
教育学部1年生の大平弦さんは「飲食店のアルバイトをしているため以前よりも収入が減っている。何回でも使えるのでありがたい」、教育学部2年生の高曽根舞さんは「みんなで食べるとおいしく感じる。体だけでなく精神的にもいい」と話す。坂井学長は「栄養バランスのよい食事をとるだけでなく、友人と食事を楽しみながら談笑することも一人暮らしが多い当大学の学生には大事。一人でも多くの学生に利用してもらいたい」と話す。
同企画は、クラウドファンディングを立ち上げて資金を調達しており、地域の人々や卒業生、教職員など多くの人の支援に支えられている。毎日180食を提供するため、現在も支援を呼び掛けている。メニューの提供は2022年2月8日まで。