「さらしおんぶ講習会」が11月8日、南箇公民館(さいたま市浦和区領家3)で開催された。
「さいたま市親の学習事業」の一環として1歳未満の乳幼児を持つ親を対象に行われた同イベント。「さらしおんぶ隊」の隊員が「さらし」を使ったおんぶの方法を教えた。
講師を務めたのは、さいたま市を中心に「さらしおんぶ隊」として活動している泉美月さんと勝野梢さん。同グループはさらしおんぶで子育てをしている母親が集まり、さらしおんぶの着け方などを指導している団体で、現在の隊員数は15人、埼玉のほか、沖縄、長野、東京、千葉、神奈川でさらしおんぶの使い方を教えているという。泉さんは川口市とさいたま市を中心に講座を行い、「みやこ染め」でさらしなど染めるオリジナルグッズの作成も行っている。
泉さんは長男を出産してしばらくしてさらしおんぶを知ったという。当時は体の前側で使う「前抱き」の抱っこ用具を使っていて腰を痛め、子どもを抱っこする方法に悩んでいたところ「赤ちゃん連れのキャンプに参加した時に、長いひもで赤ちゃんを自分の体にくくり付けている参加者がいて、何をしているのだろうと衝撃を受けた。赤ちゃんを背負いながら機敏に作業をしている姿がとても格好良かった」と話す。自分でもさらしおんぶを試したところ「腰を締め付けることなく、子どもをおんぶする位置が高く重心が上がるため、子どもを軽く感じる。何よりも子どもと密着しているため、安心できコミュニケーションも取りやすい」とさらしおんぶに魅了されたという。
講座ではおんぶのほか前抱きで抱っこする方法と非常時・防災時にさらしを活用する方法も教えている。使うさらしは一般に購入でき、長さ4メートルから4.5メートルを使用する。一枚の布なので非常時や防災時にもさまざまな形で利用ができるという。さらしを切り、おむつやナプキンの代用、マスクや包帯にもできるほか、子どもの頭に巻くとターバン式の防災頭巾にもなる。泉さんは「防災リュックや普段持ち歩く荷物に1本入れておけば、いざという時に便利」と薦める。
受講生からは「子どもが軽く感じる。いつもより寝入るのが早いかも」「何回か練習すれば覚えられそう」「さらし自体も初めて知った。いろいろな使い方ができることに興味をもった」という声があった。勝野さんは「鏡を見ながら何度も練習しコツをつかむことができたが、身近に教えてくれる友人もいたから助かった。興味はあるがどうしたらよいか分からないという人の助けになれば」と話す。泉さんは「さらしおんぶは使う人の年齢制限もなく、父親も使える。おんぶすることで、子どもの成長を感じられ、子どもとの絆が深まるように思う。どんどん広めていきたい」と意気込む。
随時隊員を募集している。