節句人形専門店「人形の飛鳥工房」が1月4日、川口(川口市芝高木2)にオープンする。
国指定伝統工芸士の五代目飯塚孝祥さんと埼玉県指定伝統工芸士の6代目飯塚宗孝さんが人形製造工房を営みながら販売も行う同店。宗孝さんは「職人が仕入れから接客までするのは珍しい」と話す。以前はさいたま市岩槻区に工房を構えており、15年前に川口に移転。飯塚さんたちは工房で制作をし、店は別の人が経営していたものを、今回飯塚さんたちが店の経営もすることになった。
店内に工房を備え、孝祥さんと宗孝さんが作業する様子も目の前で見ることができる。飯塚さんたちが制作するのは江戸時代から受け継がれた雛人形の制作方法をもとに作られる「飛鳥雛」。袖の重ねは着物の袷(あわせ)・留袖にも使われる「おめり」仕立て、裾の縫い合わせは48枚の型を使い、十二単衣を表現、胴体は防湿防虫効果もある「桐」にわらを巻いた芯を使い、型崩れ少なくするなどの特徴がある。宗孝さんは「見えない部分も丁寧に作ることにより、より長持ちし、美しい人形にすることができる」と話す。
持ち込みの生地から人形の着物に仕立てる、気に入った顔と胴体を組み合わせるなど、工房直営ならではの「セミオーダー」も可能。「作業によってはお時間をいただくこともあるので、納期も含めて早めに問い合わせていただけたら」と飯塚さん。
店内には、飯塚さんたちが制作した人形のほか、職人の目で選んだ選(よ)りすぐりの人形がそろう。ケース飾りが4万3,780円~。親王飾りは6万4,680円~で、「10万円代が多い」という。
飯塚さんは「職人つながり、仕入れ仲間から仕入れている。良いものを少しでも手頃な価格で提供できたら。ベビーカーでもゆったり入れるようになっているので、気軽に来ていただけたら」と呼び掛ける。「家に飾るひな人形は親が子どもに『触らないように』と言うことが多いと思うが、本来人形なので触って楽しんでもらってよいと思っている。店で選んでいただく時も、手に取って目の高さでよく見てもらい選んでほしい。使っているうちに壊れたりしたら、修理などのアフターケアも万全なので安心していただけたら」とも。
営業時間は10時~19時。5月5日まで無休、以降日曜定休。