食べる 見る・遊ぶ 暮らす・働く

浦和の老舗漬物店、「奈良漬」が推奨土産品金賞受賞 季節限定で梅の奈良漬も

本店には、豊富な種類の奈良漬や漬物、佃煮が並ぶ

本店には、豊富な種類の奈良漬や漬物、佃煮が並ぶ

  • 105

  •  

 浦和の老舗漬物店「酒井甚四郎商店(浦和区仲町2、TEL 048-822-2110)」の「酒井の奈良漬」が、「第8回さいたま推奨土産品」の金賞を受賞した。

季節限定「梅の奈良漬」(税込475円)は冷やして食べるのがおすすめ

[広告]

 奈良漬は、定番の瓜やキュウリ、ショウガなど約10種類。漬物や佃煮などを合わせると約100種類に及ぶ。旬の食材にも力を入れ、冬は大根、春は筍、初夏は梅など季節ごとに違った奈良漬も販売する。こうした商品が、さいたま観光国際協会主催で2年に一度開催される「第8回さいたま推奨土産品」の金賞(7品のうちの1つ)に輝いた。同店5代目の社長酒井甚治さんは「選んで下さった皆さまのおかげ。ありがたい」と笑顔で賞状に目を向ける。

 明治初年創業の同店は、厳選した野菜と造り酒屋から直接仕入れた複数の酒かすをブレンドしている。酒井さんは「手作業で4~5回、酒かすを漬け替えながら塩分と水分を抜く作業を繰り返す。奈良漬のシャキシャキした歯応え、芳醇(ほうじゅん)な香り、うま味を出すために時間と手間は惜しまない。収穫してから商品になるまでに1年半もかかる」と話す。

 創業以来、作り方はほぼ変わらないが人口添加物を使わず自然発酵食品のため、苦労も多いという。「自然が相手なので、温暖化などで大きく気候が変わると今まで通りにはいかない時もある。子どもの頃から『技は目で盗め』と先代から言われて懸命に学んできた。レシピはあるようでない。その時々で変えている。職人技だね」と酒井さんは笑顔。

 酒かすの香りが漂う店内には表彰状が並び、古いもので明治時代に宮内庁に献納した書も残されている。酒井さんは「うちの商品だけでなく、全国のいろいろな奈良漬も食べ比べて味わって。先人たちが生み出した日本の伝統食を次世代につないでほしい」と語る。

 現在、季節限定で「梅の奈良漬」を販売している。

 営業時間は9時~18時30分。水曜定休。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース