埼玉大学(さいたま市桜区下大久保)で12月5日、同大学生を中心に手作りしたイルミネーションの点灯式が行われた。地域と大学の「笑顔の架け橋」になることを目的に、同大学イルミネーションプロジェクト実行委員会(通称=埼大イルミ)が2004年から毎年開いている。同大学と埼大前公園などを手作りのオブジェと電飾でともしている。
今年のテーマは「街にきらめく海の世界」。広場には、大人の背丈ほどあるクジラやイソギンジャクなどが並んだ。式は、地域住民や同大学生が約100人、同大学学長、埼大通り商店街会長、桜区長らが参加。田川伽月実行委員長のカウントダウンで点灯されると歓声が上がった。
「大学の構内まで見に来てほしい」と正門前には大きなツリーを飾り、通路や広場の木々には色鮮やかな電飾をともす。目を引くのは、公民館で子ども50人と一緒に作ったオブジェ。黒い紙を魚の形に切り抜き、赤や黄色のセロハンを貼り、中から光を当ててステンドグラス風に仕上げた。
工学部3年生の西山真史さんは「手作りの温かみがある。地域に発信しようとする姿勢が、同じ埼大生として素晴らしい」と話していた。近くに住む60代女性は「毎年、この時期に大学を通るのが楽しみ。作品が年々グレードアップして形も大きく複雑になっている」と喜ぶ。
13年前に埼大イルミを立ち上げた有馬元明さん(32)は「当時は単純な飾り。技術の担当者が設計図を書いて引き継いでいるが、毎年アレンジされてどんどん良くなっている。長く続いてうれしい」と話す。
埼大イルミは36人のメンバーで、地域の清掃活動や夏祭りの手伝い、区民祭りの工作教室などを行いながら地域との交流を図ってきた。委員長の田川さんは「手作りにこだわり、形が思うようにいかず試行錯誤の繰り返し。配線のトラブルもなく点灯できてホッとした。地域の皆さんが喜んでくれるからこそイルミネーションは輝いているので、当大学へ見に来てください」と笑顔で呼び掛ける。
点灯は12月25日の5時30分~20時30分(12日~21日は20時まで、25日は18時30分終了)。