解体工事DXプラットフォーム「クラッソーネ」を運営する株式会社クラッソーネ(愛知県名古屋市、代表取締役CEO:川口 哲平、以下「当社」)は、埼玉県加須市・埼玉県狭山市(以下、「加須市」「狭山市」)と、それぞれ「空き家除却促進に係る連携協定」を締結いたしました。昨今、全国的にも社会課題となっている空き家問題への対策として、各自治体の空き家除却を推進することで、安全安心なまちづくりを目指します。また本締結で、当社の自治体連携の実績は114自治体(行政運営の団体含む)、埼玉県内での実績は19自治体となり、全国での人口カバー率は17.3%、埼玉県内では43.7%となりました(※1)。
■協定締結の背景
近年、空き家が増加し社会課題となっています。総務省発表「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(※2)によると、全国の空き家数は900万件、空き家率は13.8%と、過去最高の水準となっています。埼玉県では、賃貸や売却用の住宅、別荘などを除いた空き家の戸数は13万5,800戸となっており、前回調査と比べて1万戸以上増えています。
加須市では、毎年自治連絡協議会のご協力の下実施している空家等の実態調査しており、令和6年12月1日調査において、840戸の空家を把握しています。こうした空家への対策として、「加須市空家等対策計画」の「空家等の発生予防と適正管理」、「空家等の利活用及び流通促進」、「管理不全な空家等の防止・解消」の3つの基本方針に基づき、空家対策を推進しています。しかしながら、所有者等の様々な理由から適切な管理が行われず、そのままに放置されている空家もあり、地域住民の生活環境の悪化などを招いています。
狭山市では、令和5年度に実施した空き家の実態調査や、市に寄せられる空き家に関する相談等により、令和7年2月末時点で634件の空き家を把握しています。また、人口は徐々に減少してきていますが、高齢者人口は増えてきている状況もあり、今後も空き家は増加していくと考えられます。こうした状況から、令和2年に「狭山市空家等対策計画」を策定し、空き家対策を進めてきており、令和6年度より新たな取り組みとして、「狭山市空家等除却補助金交付制度」を開始し、空き家の除却を促進していますが、今後さらに空き家の解消、土地活用を促進していくための施策を検討していました。
当社は、解体工事領域で、全国2,000社以上の専門工事会社と施主をマッチングするサービス「クラッソーネ」を運営しており、これまでに累計15万件以上のご利用者実績(※3)があります。また、「解体費用シミュレーター」や「すまいの終活ナビ」を利用した公民連携での空き家対策事業が、令和3年度から令和5年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に3年連続で採択され、現在は全国112自治体(加須市・狭山市除く)と公民連携による空き家対策を進めています。
今回、加須市・狭山市や当社のそれぞれが持つ資源や特長を活かしながら、空き家の除却促進に向けて連携協力を図り、市民の生活環境の保全や空き家の適正な管理の推進に寄与することを目的として、協定の締結に至りました。取り組みを通じて、空き家の課題を解決するとともに、当社運営の「すまいの終活ナビ」をはじめとしたIT技術やデータを活用して、自治体担当者の住民対応の質の向上や業務効率化など、自治体DXの推進に寄与します。
■協定に基づく主な取り組み内容
- 解体の概算費用や土地売却査定価格を提示する「すまいの終活ナビ」を紹介(加須市版URL:https://www.crassone.jp/simulator/saitama/kazoshi 狭山市版URL:https://www.crassone.jp/simulator/saitama/sayamashi)
- 空き家の建物情報をもとに、管理コストや解体費用・土地売却査定価格をまとめたレポートを発行できる「空き家価値査定シート」の活用
- 空き家所有者等へ空き家解体の進め方に関するリーフレットを配布
- 市民や空き家所有者からの相談や空き家対策施策に、当社のサービスや情報を活用
■代表コメント
加須市長 角田守良 氏
加須市では、全国的に問題となっている空家対策について、令和3年3月に「第2次加須市空家等対策計画」を改訂し、空家等の発生予防から解消までの総合的な空家等対策に取り組んでおります。 この度、株式会社クラッソーネ様との連携協定による「解体費用のシュミレーター」、「すまいの終活ナビ」等の活用により空家に関する様々な課題の解決が図られることを期待しております。 今後は、空家の様々な課題を解決するためには、所有者だけではなく、民間企業や専門団体等との連携・協力をしていくことが重要であると考え、市民の皆様が安心して暮らせるまちづくりに努めてまいります。
株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口 哲平
当社は「『街』の循環再生文化を育む」というビジョンを掲げ、解体工事を通じて多くの人々の豊かな暮らしの実現を目指しています。事業を行う中で、空き家問題の高まりを感じており、またその解決には自治体と民間事業者の連携が重要だと考えています。この度、加須市・狭山市と連携協定を締結し、埼玉県内では19自治体との締結実績となりました。多くの自治体様にて空き家対策のご支援ができることを嬉しく思います。弊社の解体に関する知識や経験・IT技術を活用し、空き家所有者へ具体的な情報提供や解決策を提示し、安全安心なまちづくりに向けてに尽力してまいります。
■「すまいの終活ナビ」とは
相続した実家の家じまいや空き家処分を検討するにあたって、様々な情報を取得することができる家じまいポータルサイトです。主な機能として、土地建物の面積や最寄り駅、接する道の幅などの条件を入力することで、「解体費用」と解体後の「土地売却査定価格」の概算額を無料で算出することができます。
その他、「すまいの終活ナビ」からは下記サービスを利用することができます。
<空き家の迷惑度診断>
空き家の外観や敷地内の状況に関する22個の質問に答えることで、「特定空家等」の予備軍である「管理不全空家等」として指定される可能性を「空き家の迷惑度」として診断します。 国が示したガイドラインに基づいた設問となっており、簡単に所有する空き家が管理不全空家等に指定される可能性があるかを確認することができます。所有者が自身の空き家の状況を認識できるようにし、適切な空き家の管理を促します。
<固定資産税シミュレーター>
固定資産税の納税通知書に記載がある情報を入力することで、1.解体後の固定資産税の上昇額、2.空き家を維持し続けた場合にかかる費用、3.解体後3年以内に土地を売却した場合の収支試算、を確認することができます。建物を解体すると固定資産税が上がることで解体をせずに放置されてしまう事例が多くある中、放置したほうがコストがかかる場合もあることを示し、空き家の適切な解体を促します。
■「空き家価値査定シート」とは
「空き家価値査定シート」は、対象の空き家の構造や土地面積等の情報をもとに、空き家を放置した際にかかる想定コストや、空き家処分の際の解体費用、土地売却査定価格をまとめたレポートです。空き家の放置・処分コスト等の情報を所有者へ提供することで、空き家の適切な管理や処分の検討を支援し、管理不全空き家の解消を促進します。また、空き家所有者啓発に関する文書作成における自治体担当者の工数削減にも貢献します。
■これまでの埼玉県内での取り組み実績
<連携協定締結実績のある埼玉県内の市町村>
吉見町・熊谷市(★)・川越市・久喜市・朝霞市(★)・行田市・上尾市・松伏町・寄居町・日高市・嵐山町・鳩山町・さいたま市(★)・飯能市(★)・本庄市・坂戸市(★)・羽生市・加須市・狭山市
※連携協定締結日順。★は武蔵野銀行との3者協定。
<取り組み事例>
空き家セミナー・相談会を実施
2024年2月25日に、さいたま市・武蔵野銀行とともに実施。セミナーには約20人が参加。司法書士会や弁護士会なども参加。
リーフレットによる啓発で放置空き家が解体に
空き家所有者向け啓発リーフレット(クラッソーネ提供)を活用し、長期間放置されていた空き家が解体に。フライヤーに掲載された解体費用シミュレーターも活躍。
■加須市について(概要)
加須市は埼玉県の北東部に位置し、群馬県、栃木県、茨城県に隣接しています。見渡す限りの平野で遠くに山々が望めます。ここは関東平野のど真ん中、豊かな自然に恵まれ、県内一の生産量を誇る米を始め、梨、いちじく、いちごなどの豊富な農産物があるほか、歴史ある建物や祭事など、各地域に多くの貴重な財産があります。また、市域は都心から概ね50km圏内に位置し、東武伊勢崎線で1時間弱、東北自動車道のインターチェンジもあり、都心へのアクセスも良好です。圏央道のインターチェンジも近接していることからさらに快適な交通環境になりました。この都心との距離感がなんともいえない自然と都会のバランスを保っています。
■狭山市について(概要)
狭山市は、入間川を挟んで入間台地と武蔵野台地に位置し、交通の要所として国道16号や西武新宿線が通ります。狭山市は「狭山茶」の主産地であり、明治には県内初の機械製糸工場が設立され、国内屈指の優等品を生産する製紙工場となり、国内外に優れた製品を供給しました。昭和には陸軍航空士官学校が設立され、後に航空自衛隊入間基地となりました。また、工業団地の造成により自動車製造業をはじめとする企業が創業し、県内有数の工業都市として成長しています。都心に近く、住宅団地の整備が進み、都市公園も充実しており、自然環境と快適な生活空間が魅力の「緑の快適都市」です。
■株式会社クラッソーネについて(会社概要)
(※1)総務省「【総計】令和6年住民基本台帳人口・世帯数、令和5年人口動態(都道府県別)」より算出。都道府県連携や行政団体の対象自治体は省き、市区町村との締結を対象として算出した。
(※2)総務省「住宅・土地統計調査」:https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf
(※3)旧サービス「くらそうね解体」の実績含む