「特別支援学校職業教育フェア」が1月11日、浦和駅前の「コミュニティプラザ・コルソ」(さいたま市浦和区高砂1)7階コルソホールで行われ、500人以上が来場した。
特別支援学校で取り組んでいる作業学習の成果や様子を展示し、地域に知ってもらうことを目的に1999(平成11)年に開催を始めた同フェア。初回の参加校は5校程度だったが、年々増え、24回目となる今回は対面販売で11校、製品やパネルの展示で17校が参加した。
草加かがやき特別支援学校高等部は、「K→STYLE(かがやきスタイル) 」のブランド名で「手工芸」「木工」「リサイクル」「レザークラフト」「陶芸」の製品を販売。キーホルダーや組み木のペン立て、皿、リサイクル紙ポチ袋などを並べた。販売を担当した高等部3年の亀田拓磨さんは「手工芸班で、ビーズフラッグを作っている。一番好きなデザインは『コバトン』。最初は大きいビーズで作っていたが、小さいビーズも通せるようになった。作るのは楽しい」と話す。
上尾かしの木特別支援学校高等部は、作業学習で育てた花やハーブを使ったリースや入浴剤、木工で作った収納ボックスや雑貨、紙すき製品の便箋セット、毛糸を織って作ったカードケースなどを販売。ディスプレーの準備や販売は「職業教育フェア担当」の生徒が行った。フェア担当は2回目という高等部3年の関口瑞生さんは「お客さまが見やすいよう気を付けて製品を陳列した。自分の作った製品を買ってもらえた時はとてもうれしい。4月には社会人になるので、次回のフェアには客として買い物に来たい」と話していた。
同企画の立ち上げに携わった熊谷特別支援学校の竹井彰彦校長は「初回開催から20年以上たち、『特別支援学校』の存在も当初に比べてだいぶ地域の方に知られるようになったと感じる。これまで塙保己一学園によるマッサージ、入間わかくさ高等特別支援学校のファッションショーなどを開催し、コロナ禍にはオンラインで行うなど、工夫しながら継続してきた。今後はより一層、特別支援学校卒業後を見据えて、生徒と地域のつながりを深めていけるような方向にしていけたら」と話す。
川口市在住の20代女性は「仕事の関係で開催を知り、初めて来場した。特別支援学校のいろいろな取り組みや作っているものを見ることができて、いいイベントだと思う。どんなところを頑張ったのか、生徒に直接話を聞けるのも楽しい」と話す。蕨市から訪れた80代女性は「以前、別の用事でコルソを訪れた時にたまたま開催していて、生徒の様子や心温まる製品に感動し、今回も訪れた。福祉ショップとも違い、たくさんの学校が集まるイベントなのがとてもいい」と話す。