「さいたま市浦和うなぎまつり」が5月28日、浦和駅東口駅前市民広場で開催された。
2002(平成14)年に始まり今回で19回目となる同イベント。新型コロナウイルスの影響で2年連続中止となり、3年ぶりの開催となった。
江戸時代から受け継がれる「浦和のうなぎ」は、沼地や河川が多くウナギがたくさん捕れた浦和周辺に蒲焼きを振る舞う店が多く出店したことが始まりとされる。時代が移り、水田耕作のため地場のウナギはいなくなり、同イベントでは浜名湖産ウナギを使っている。
目玉となるうなぎ弁当(1食1,800円)は、事前チケット1500食分が販売初日で完売。当日のチケット販売は500食限定とあって、販売開始の9時前から長蛇の列ができた。先頭に並んでいた、さいたま市中央区在住の50代男性は「朝5時から並んだ。前回食べておいしかったので家族の分まで購入する」と話していた。
ウナギの調理実演も行われ、生きたウナギをさばき、串を打つ様子に多くの来場者が足を止め、たらいに入ったウナギの周りには子どもたちが集まった。会場にはウナギを炭火で焼く匂いが立ちこめ、チケットを持った来場者が次々と、まだ温かいうなぎ弁当の引き換えに訪れた。会場外でうなぎ弁当を食べていた浦和区在住の30代女性は「身が柔らかくて香ばしくておいしい。3年ぶりに食べることができて良かった」と話す。
実行委員で「協同組合浦和のうなぎを育てる会」代表理事の大森好治さんは「3年ぶりに今日を迎えることができた。朝からたくさんの人にお越しいただきありがたい」と話した。同会は、伝統文化としての浦和のうなぎを広め、後継者を育成するために1993(平成5)年に発足。大森さんは「ウナギの養殖を推進するための会ではないが、いつかは浦和でも養殖をという夢がある」とほほ笑む。
会場にはうなぎ弁当のほか、浜名湖養魚漁業協同組合による浜名湖産ウナギの蒲焼きやうなぎパイ、さいたま市産の農産物や土産品の販売、スポーツ団体のブースなどが並び、多くの来場者でにぎわった。