見る・遊ぶ 学ぶ・知る

1200年の田んぼで米作りと里山体験 参加者を募集

同地域で過去に行われた、田植え体験の様子。

同地域で過去に行われた、田植え体験の様子。

  • 23

  •  

 1200年以上にわたって稲作が続けられている田んぼを使い、シーズンを通して米作りと里山体験を行うプログラムが5月14日から行われる。場所は、さいたま市桜区塚本地区の荒川堤防の河川側。

米作り&里山体験で出会いが予想される、トウキョウダルマガエル

[広告]

 この地域では奈良時代の条理遺構が確認されており、少なくとも1200年前から脈々と稲作が営まれている。荒川の運んだ土砂によりできたわずかな起伏を巧みに利用し、北側の約100ヘクタールの水田と、南側の屋敷林や雑木林と田んぼの混在するエリアがある。しかし、2019年の台風19号により、地域一帯は水没。その後、水害対策として地域を囲む堤防を築造して調整池とする計画が発表されたが、田んぼは用地買収の対象とはならなかったため、地域では落胆の声が広がった。加えて、コロナ禍による米販売価格の下落も追い打ちとなり、地域では一部に休耕地が出現している。

 このような状況を打破しようと、今年4月に一般社団法人埼玉を食べるが「塚本郷・Re農vationプロジェクト」を発表。稲作で米という「モノ」を販売するだけではなく、里山を舞台とした「コト」消費の創出によって、地域の保全再生と、地域全体での収益の向上を図る指針が発表された。今回の体験プログラムは、その第1弾となる。

 プログラムの特徴について、コーディネーターの安部邦昭さんは「塚本郷は、都心から車でわずか30分という距離にありながら、まるで別世界のような里山地域。荒川という大河川と田んぼを、メダカなどの生き物が行き来できる地域は今ではとても少ない。歴史あるこの地域で、稲作という文化と、多様な生き物などをたっぷりと体験できるプログラムを地域の農家さんと一緒に考案した」と説明する。「この地域の水田と環境を未来に引き継ぐためにも、まずはみんなで手をかけることが必要。楽しみながら参加してもらい、それがやがて地域を未来に引き継ぐ力となれば」と参加を呼びかける。

 体験プログラムは、土曜午前と日曜午後の2コース。田植えを皮切りに、田の草取りや生き物観察、地域探検など、多様なプログラムを計画している。全6回のコースで、参加費は、大人(中学生以上)=2万7,000円、小学生=2万1,000円。費用には、地域の野菜を使った弁当と保険代が含まれる。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース