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埼玉県立近代美術館で「美男におわす」展 時代とアートジャンル超え作品190点

入江明日香さんの作品

入江明日香さんの作品

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 埼玉県立近代美術館(さいたま市浦和区常磐9)で現在、「美男におわす」展が開催されている。

唐仁原希さんの描く伝説の美少年の肖像と唐仁原さん

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 近世絵画、浮世絵、近代日本画、雑誌の表紙や挿絵、現代芸術、漫画など、時代やジャンルを超えて「美しい男性」の姿をテーマに表現した作品約190点(前期・後期の合計)を紹介する同展。

 期間中、展示コーナーを「伝説の美少年」「愛(いと)しい男」「魅せる男」「戦う男」「わたしの『美男』あなたの『美男』」の5つに分ける。展示会のタイトルは与謝野晶子の和歌「かまくらや みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におわす 夏木立かな」に由来する。同館学芸員の五味良子さんは「ライフスタイルや嗜好(しこう)が多様化した現代でさまざまな美男像を抱く鑑賞者の皆さんに、会場でいろいろなタイプの美男をかぎ分けてもらえたら」と話す。

 「わたしの『美男』あなたの『美男』」のコーナーに出展している作家の一人、唐仁原希(とうじんばらのぞみ)さんの作品「キミを知らない」に描かれた少年は、目が大きく暗い館の椅子に座って鑑賞者を見つめるようなまなざしをしている。唐仁原さんは「目が大きいのは漫画の目の描き方と油絵の技法をミックスして描いている」と話す。少年漫画誌やRPGゲームの影響下に育ったという唐仁原さんが思い浮かべる伝説の美少年像が描きこまれている。

 学芸員の佐伯綾希さんは「美人画が美術史上で好まれてきた一方で、美男画というカテゴリーが成立してこなかったのは、男性は外見より中身が大事という価値観が評価基準の中心にあったからでは」と話す。「男性を『美しいもの』として表現することにはまだ光が当たっていない。『美人画』ならぬ『美男画』との出合いは『男性はこういうものだ』と決めつける固定観念をゆさぶり、見直すことにもつながる。増殖する美男の園へお越しいただけたら」と呼び掛ける。

 開催時間は10時~17時30(展示室への入場は17時まで)。月曜休館。入場料は、一般=1,200円。大・高生=960円。会期は、前期=10月10日まで、後期=10月12日~11月3日。

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