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浦和コムナーレで障がい児ダイビング活動紹介 挑戦で広がる世界伝える

「障がいの有無にかかわらず気軽に来場してほしい」と呼び掛ける

「障がいの有無にかかわらず気軽に来場してほしい」と呼び掛ける

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 障がい児とその家族を対象とした海の自然学校の様子を紹介する「勇気と希望の教室」が9月7日から、さいたま市の複合公共施設コムナーレ(さいたま市浦和区東高砂町11)で開催される。

過去のアソマナプロジェクトの様子

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 毎年海の日に開催している海の自然学校「アソマナプロジェクト」を展開するNPO法人アソマナ(さいたま市浦和区常盤9)が主催する。同プロジェクトは、障がい児とその家族が一緒に海で遊び学ぶ企画で、スキューバダイビングやシーカヤック、イルカとの沿い泳ぎ体験などを展開している。2015(平成27)年から静岡県伊東市を中心に開催しているが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった。

 同法人代表の太田樹男さんは、自身に障がいがあることや友人ダイバーが事故でハンディキャップを負ったことなどをきっかけに世界中に拠点を持つハンディキャップダイビング指導団体「Handicapped Scuba Association(HSA)」に出合い、国内普及を決意。当時の日本ではまだ珍しかった障がい者ダイビングを広めようと、1990(平成2)年、日本初の障がい者専用のダイビングスクールを開講した。現在では年間約800人が専用のダイビングプログラムを受講し、資格を取得している。

 太田さんは「たとえ障がいがあったとしても挑戦することで新しい世界が広がる。一人でも必要としてくれる人がいるならば継続していこうという思いでやってきたので、ここまで続けてこられたと思う」と振り返る。現在は、ダイビングに限らず、障がい児や発達に不安のある子どもたちの幅広い学習支援を行うフリースクール「アソマナ学園」も展開している。アソマナプロジェクトに参加した保護者から「海に限らず学習面でも遊んで学べる『アソマナ』の場を作ってほしい」という多くの後押しがあったという。

 同イベントでは、これまでのアソマナプロジェクトの開催風景の写真展示のほか、太田さんと障がい者ダイバーの高瀬翔太さんによる「授業」や、障がい児の兄弟姉妹を支援する会「ブレイブキッズ」代表の岡田美和子さんの登壇を企画する。

 「今回限りのイベントではなく、フリースクールなどの活動発表や、障がい児の作品発表の場として『勇気と希望の教室』を展開していければ」と太田さん。「障がいがあってもスキューバダイビングができるということや、障がい児と家族が一緒に海の自然環境の中で過ごす時間の楽しさ、子どもたちの可能性を発信していければ。初めての経験には不安がつきものだが、挑戦することで広がる新しい世界を伝えていきたい」とも。

 開催時間は、平日=11時~16時、土曜・日曜=10時~17時。入場無料。今月13日まで。

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