武蔵浦和コミュニティセンター(さいたま市南区別所7)で2月8日、「伝える技術を学ぶ市民記者講座」が開催された。
主催は埼玉県で市民記者クラブの運営など等を行うNPO法人「埼玉情報センター」(浦和区)。当日は、最近SNSを始めた若者や出産後の社会復帰を目指す主婦ライターなど10人以上が参加した。
市民講座といえば参加者の年代は比較的高めになりがちだが、同イベントは珍しく若者中心という。参加した地元店の紹介サイト運営者は「現在日記形式ブログを運営、記事としてよりしっかりしたものを作る技術を学ぶ機会にしたい」と意欲を見せ、最近SNSを始めたという笹田さんは「より地元について知る機会にしたかった」と振り返った。
講師は、同イベントに協力する埼玉新聞社の編集局次長・吉田俊一さんと森永さんが務めた。講座は座学と実地の2部構成で、座学では「なぜ今、市民記者が求められるか、その経緯と課題」から始まり、記事取材と写真の撮り方のポイント等などが説明された。その後の実地では実際に武蔵浦和の街を参加者が歩き、市街地開発が大きく進む街並みや商業施設と、近くに残されている白幡沼の自然などを見学した。
「インターネット社会の到来で情報を『知る・得る』ことが以前に比べ格段に容易になった反面、不確かな質の低い情報が氾濫している。地方自治体も合併再編などで街の情報発信力が思うように伸びておらず、市民参加・双方向での情報発信が求められSNSの浸透が、その後押しをしている。そうした中、質の高い正確な情報を生み出しているのはやはりまだ既存メディア。こうしたイベントを通じ、新聞記者の取材手法などを学ぶことで市民が質の高い情報発信力を養い、発信することで地域の活性化につなげていければ」と吉田さん。
同イベントは埼玉県内を中心に年2回、これまで20回ほど開催しているという。