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北浦和の公民館で和紙人形展 江戸時代の人々を表す200体

200体以上の和紙人形が並ぶ南箇公民館のロビー

200体以上の和紙人形が並ぶ南箇公民館のロビー

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 北浦和の南箇公民館(さいたま市浦和区領家)で1月4日、「雨宮淳子の和紙人形展」が始まった。

会場には和紙人形を引き立てる秩父銘仙も

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 雨宮さんの作る和紙人形は、石垣駒子さんが1970年頃に考えたといわれる「駒子の紙人形」で、硬い脱脂綿に和紙を巻き、高さ約20センチに仕上げたもの。顔には目や鼻を描かず、髷(まげ)は3~5つのパーツに分けて、それぞれ丸めたりねじったり髪飾りを付けたりして作られている。和紙の着物や帯も一体ずつ異なり、胴体の傾きや着物の織り目などを変えて動きを付けている。人形には「能」「舞妓」「尼さん」「若衆」「お婆さん」「見返り美人」などの題名が付けられ、江戸時代から大正時代の人々を表している。

 「駒子の紙人形」を手掛けて50年以上の雨宮さんは、1934(昭和9)年に埼玉県秩父市で生まれ、昨年秋に亡くなった。一人暮らしで自宅にアトリエを持ち、公民館などでも作り方を教えていたという。姪(めい)で浦和区に住む三好菜穂子さんが、雨宮さんの遺品の片づけをしていた時に500体以上の人形が一体一体柔らかい紙に包まれて出てきた。「繊細な作りで、多くの人に見てほしいと思った」と三好さん。近くの南箇公民館に持ち掛け、展示会を開くことになった。

 訪れた人は、人形に顔を近づけて髪型や帯結びなどを眺めていた。70代の女性は「帯の締め方一つにしても、年齢や役によって違いがあるのが面白い。当時をよく調べて作っていたはず。素晴らしい」と話した。

 三好さんは「目や鼻、口など顔を描かずに、着物の重なりや身体の傾き、顔の大きさ、頭の位置などで女性のたおやかさを表している。男性の髪形や衣裳、小物も違って江戸時代の文化がよく分かる。着物や時代小説が好きな方は想像が膨らむとはず。公民館という学びの場所で、伯母の作品を見て頂きたい」と話す。

 開催時間は9時~17時。入場無料。今月15日まで。

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