蕨のスギタホール(蕨市中央1)で6月3日~5日、「放射線像展」が開かれた。同展は横浜から始まり、埼玉を経て、東京と千葉の4会場でリレー開催される。
「福島第1原発事故によって被ばくした物質を可視化する」という、写真家の加賀谷雅道さんと東京大学名誉教授の森敏さんによるプロジェクトによる同展。オートラジオグラフィーという手法で作成された作品からは、サンプルの放射能分布を観察できる。その内容は国内だけでなく、フランス、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、カナダのなど海外のメディアでも紹介され注目を集めている。
会場では福島県を中心に採取された30点を展示。軍手などの道具から、センダン草やマツタケなどの植物、蛇やブラックバスなどの動物など多岐に及ぶ。東京のサンプルや、今回の展示から新たに横浜の一軒家の空気清浄フィルターが出展された。
主催の「放射線像・写真展 首都圏リレー開催実行委員会」は、もともと「全日本おばちゃん党」というインターネット上でのネットワークから知り合った関東のメンバー。無料開催をするに当たり、インターネット上で不特定多数から寄付を集めるクラウドファンディングで資金調達を行った。
スタッフの福田ゆかりさんは「私たちはまるで何もなかったかのように生活している。放射線が浮かび上がった画像が私たちに問い掛けるものを見てほしい」と話す。「この展示をきっかけに、未来のために今どうすべきか皆で考えていけたら」とも。
今月10日~12日に東京会場、17日~19日に千葉会場で開催される。