
「北浦和祭連」によるみこし渡御が8月9日、JR北浦和駅西口商店街で行われた。総勢120人を超える担ぎ手が威勢のいいかけ声と共に街を練り歩き、夏の夜を彩った。
みこし渡御は毎年8月の恒例行事で、地元の商店街や自治会が中心となって実施している。今年は地元住民に加え、近隣地域からも多くが参加し、幅広い世代が集まった。
担ぎ手は18時前、商店街の一角にある駐車場に集合。開始直前には担ぎ棒や肩の位置を合わせ、かけ声で士気を高めた。威勢のいいかけ声が夜空に響くと、みこしがゆっくりと動き始め、沿道から拍手が上がった。
渡御頭の原田喜一さんが先頭に立ち、隊列の前後を行き来して速度や間隔を調整し、安全な進行を保った。原田さんは担ぎ手の間隔や歩幅をこまめに確認し、交差点やカーブでは周囲の安全を確認した。観客の近くを通る場面では、担ぎ手がより力強くみこしを持ち上げた。
コースは商店街の駐車場を出発し、イオン北浦和店(さいたま市浦和区常盤10)前で折り返して駅前へ。ロータリー付近を通過し、沿道を抜け商店街に戻った。沿道では買い物帰りの人や家族連れが足を止め、スマートフォンやカメラでみこしを撮影。住宅の窓やベランダからは住民が手を振り、「頑張れ」と声援を送る姿も見られ、担ぎ手は笑顔で応えながら進んだ。
当日は日中に気温が30度を超え、夕方になっても蒸し暑さが残った。数カ所に休憩地点が設け、渡御中、冷たい飲み物や軽食を提供した。
渡御は20時30分ごろ、出発地点近くの商店街に戻って終了した。担ぎ手たちは最後までかけ声を響かせ、みこしを上下させて締めくくった。原田さんは「多くの方に支えられ、無事に終えることができた。暑い中でも全員が力を合わせ、地域の元気を感じられる一日だった」と振り返る。「今年は例年に比べ参加人数がやや増え、近隣地域からの参加希望も多かった。今後も広域的な交流を深めていければ」とも。