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埼玉大で小・中学生向け科学の実験教室 本物の科学に触れる機会を

DNAの取り出し方について網蔵助教から説明を聞く子どもたち

DNAの取り出し方について網蔵助教から説明を聞く子どもたち

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 小・中学生向けイベント「わいわい科学の実験教室」が7月21日、埼玉大学(さいたま市桜区下大久保)で行われた。主催は同大理学部豊田研究室。

土産のハエトリソウ「ハエトリザウルス」

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 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が支援する「ERATOプロジェクト(最先端の研究と社会をつなぐ取り組み)」の一環として、科学の楽しさを子どもに伝えることを目的とし、今回、初めて開催した。200組以上の応募があった中、抽選で選ばれた小学2年~中学3年の37人が参加した。

 体験プログラムは「科学実験」「実験室探検」「ハエトリソウを育てよう」の3部構成で、同大の網蔵(あみくら)優子助教を中心に、中村匡良教授、小川哲史准教授が指導した。DNAを取り出す実験では、水、塩、食器用洗剤から抽出液を作り、キウイやブルーベリーなどが入った袋に抽出液を加えて果物をつぶした。その後、茶こしで溶液を分け、液体のみを落としたコップに無水エタノールを注いで糸状のDNAを取り出した。子どもたちはグループごとに担当する研究室の学生に質問しながら、真剣に実験に取り組んでいた。

 「実験室探検」では、真っ暗な実験室の中で顕微鏡からモニターに「光る植物」を映し出し、植物の葉に濃い塩水やエタノール、水などを垂らして、植物がどのように光り、反応するかを質問を交えながら解説した。子どもたちは、なぜそのような反応が起こったかを予想し、仮説を立てた。

 「ハエトリソウを育てよう」のテーマでは、世界でも数少ない「ハエトリソウ」の研究をする須田啓(ひらく)助教から、アメリカのみに自生することや特徴について説明を受けた。「肉をあげてもいいか」「長生きさせるコツ」「葉が閉じてから開くまでの時間」など活発に質問が飛び出した。最後に、ハエトリソウを土産として子どもたちに配布した。

 さいたま市内在住の小学3年の男児は「生き物が好きで参加した。DNAを取り出すのが楽しかった」と話し、小学3年の女児と参加した父親は「興味深い話を聞くことができ、自分も楽しい時間を過ごせた」と振り返る。

 小川准教授は「子どもたちの自由な発想に、忘れていた熱気を思い出した」と話し、網蔵助教は「科学に興味があり、集中して積極的に取り組む子が多く驚いた。これからも自分たちがやっているプロジェクトの成果を小中高生に還元していければ」と意気込みを見せる。

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