
さいたま市在住の画家NOKI(ノキ)さんの個展「NOKIの世界!」展が現在、北浦和の「Cookie&Deliマーブルテラス」(さいたま市浦和区常盤10)で開催されている。
NOKIさんは東京都出身。7年前、さいたま市に転居した。「小さい頃から壁や空に模様が浮かんで見え、指で壁に描いていた。ただ、子どもの頃は、授業で期待されるような絵が描けないことから自信が持てず、絵を描いて他人に見せようとは思わなかった」と振り返る。20歳を過ぎた頃、本格的に紙とペンで絵を描き始めた。きっかけは「仕事のストレス」。音楽を聴きながら衝動的に描き始めたところ、気持ちよくなり、やめられなくなったという。現在は訪問マッサージ師をする傍ら、毎日2~3時間は絵を描く。店へのイラスト提供やオリジナルグッズの販売も経験。2024年には「第4回タガワアートビエンナーレ『英展』」(田川市美術館主催)に入選した。
今回の個展では、第4回タガワアートビエンナーレ入選作品「フラワーフェス~ゆかいな花と緑の世界へ~」を初披露。怪物や妖怪などがすむまちごと詰め込んだ大きなトラック「出張モンスタータウン!」、不思議な生物やミドリの異星人が描かれた「花が好き」など、ペン、油性色鉛筆で描いた作品14点を展示する。
NOKIさんは「頭の上に常に『情報の川』が流れている感覚がある。その川から模様がつかみ取ったそれをペンで描いている。音楽を聴いたり、環境が変わったりすると形も変化する。自分で『描く』という意識を持って描いていないので、ただただ楽しい」と話す。
併せて、入賞作品のポストカード(390円)やサイン入りコーヒーパック(3個セット、1,000円)、プリントTシャツ(4,500~5,500円)も販売。会場のマーブルテラスでは期間限定メニューとして、「NOKIの世界! フラワーフェスかき氷」(800円)を提供している。
6月26日には、自身初となるライブペインティングに挑戦した。NOKIさんの妻でIEPA認定国際アロマセラピストの矢島初穂さんによる「香りのジェルポット作り」ワークショップの傍ら、香りを感じて浮かんだ模様のままにペンと水彩色鉛筆を走らせ、約1時間程度で作品を仕上げた。ワークショップに参加した70代女性は「香りと雰囲気を感じて描いたというが、個展で展示されている作品と線や色遣いも全く違う、柔らかい色彩の作品が出来上がっていた。自分たちの作った香りが作品の基になっているのがうれしい」と話していた。
NOKIさんは「ぜひ作品を近くで見て、遠目では見つからない顔や細かい描き込みを見つけて楽しんでほしい。ライブペインティングは時間内に描かなくてはならず大変だったが、刺激的だった。今後も絵を通して、心が温かくなるような体験を共有できたら」と話す。
営業時間は11時~17時。月曜・火曜定休。7月6日まで。