彩の国ビジネスアリーナ2025での出展状況
関東を中心に東日本の産業廃棄物の収集運搬と中間処理を担う、東武商事株式会社(本社:埼玉県北葛飾郡松伏町、代表取締役:小林 増雄、HP:https://www.tobu-s.co.jp/)は、2025年1月22日(水)・23日(木)に開催された、彩の国ビジネスアリーナ2025に出展し、プラスチックの資源循環の取り組みについて紹介しました。
資源循環の取り組み
当社は、令和5年度埼玉県サーキュラーエコノミー型ビジネス創出事業に採択され、プラスチック資源循環の取り組みを始めました。日用品大手であるユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社が取り組むUMILE(ユーマイル)に参画しています。本事業は、シャンプーやボディーソープなどの日用品のボトルや詰め替えパウチを消費者から回収して、種類ごとに選別し、破砕・洗浄を行い、ペレット化して、再びプラスチック原料とすることで、アップサイクル品に生まれ変わります。これにより、新たな天然資源の使用を抑制し、循環型経済の実現に寄与しています。当社は、複数の企業・団体による協業で取り組んでいる本事業の中で、破砕・洗浄作業を担っています。通常の水洗いでは容器内の汚れやにおいが落ちにくいためリサイクルが難しかったボトルや詰め替えパウチも、専用の機械を用いて実験を繰り返すことで問題の解決に至りました。これまでごみとして捨てられていたプラスチック製品が、リサイクルできるようになっています。
さらに、2年連続で採択された令和6年度埼玉県サーキュラーエコノミー型ビジネス創出事業においては、前年度で実施してきたプラスチックの破砕・洗浄作業に関して、さらに対象となるプラスチック製品を拡大しています。プラスチック製品と言っても、形状や材質、においの種類によって破砕・洗浄方法を調整しなければ、リサイクルに適した再生プラスチックの原料に仕上がりません。さまざまな業界からいただいている試験処理の引き合いに対して、その都度、方法を変えながら行っています。
プラスチックの破砕・洗浄作業の高度化と併せて進めているのが、アップサイクル品の試作製造です。リサイクルプラスチック原料は、混じりけのない新品プラスチックと比較して性状や品質が劣る場合があります。また、世間にはリサイクルしたプラスチックを使ったさまざまなアップサイクル品が試作され出回ってきているものの、リサイクルしたプラスチックを大量に使用することは困難です。環境を大切にし、資源循環の取り組みを行うことは重要ですが、リサイクル後の使用先がなければ、その取り組みの意義は薄れることになります。
当社では、医療・介護現場で不可欠な消耗品である感染性廃棄物の回収容器をアップサイクルするという取り組みを検討しました。リサイクルしたプラスチックを一定量使用することができ、ワンウェイ製品であるため、性状や品質面での厳格な基準が求められない点が、実現に向けたハードルを低くしています。また、安全衛生の観点から回収物は回収容器ごと焼却処理されます。したがって、感染性廃棄物の回収容器であれば、リサイクルしたプラスチック原料を使用したアップサイクル品が直面する多くの課題を解決できると考え、試作品の開発に取り組みました。
感染性廃棄物の回収容器の試作品について
感染性廃棄物の回収箱の試作品
今回試作した感染性廃棄物の回収容器は、リサイクルしたプラスチックを原料としていて、環境に配慮するとともに、強度があり密閉型のため安全性も担保されています。医療現場で発生する感染性廃棄物には、使用済みの注射針など危険物が含まれるため、安全に廃棄されるまで保管できることは医療現場にとって安心材料となります。また、廃棄物を回収・処理する運搬業者・処分業者にとっても、安心して取り扱うことができます。UMILEで回収されたプラスチックからつくられた再生ペレットを、ペレット製造を担う株式会社エコバンクで配合し、感染性廃棄物の回収容器を製造販売する株式会社パートナーズコーポレーションの関連工場で成型することで、感染性廃棄物の回収容器の試作に至りました。完成した試作品は、彩の国ビジネスアリーナ2025で展示して、来場者にご覧いただきました。
東武商事株式会社について
社名:東武商事株式会社
本社所在地:埼玉県北葛飾郡松伏町ゆめみ野東4-4-4
代表取締役:小林 増雄
事業内容:産業廃棄物の収集運搬・中間処理、計量証明事業、廃油の回収及び再生重油の販売
設立:昭和58 年10 月
HP:https://www.tobu-s.co.jp/
UMILE(ユーマイル)プログラムについて
「UMILEプログラム」は、消費者の皆さまが毎日の暮らしの中でお得に楽しく地球のためのアクションをとれるプログラムとして、ユニリーバ・ジャパンが2020年11月にスタートしたプログラムです。このプログラムでは、ボトル製品に比べてプラスチックの使用量が約70~90%減らせるユニリーバのつめかえ製品を「買ってためる」、ご家庭で使用後に洗浄・乾燥したプラスチック容器をパートナー店舗の回収ボックスに入れて「リサイクルしてためる」の2つの方法で、「UMILE」というポイントをためられます。ためたUMILEは、LINEポイントに交換したり、子どもたちのために活動している団体に寄付できます(1UMILE=20LINEポイントまたは20円の寄付)。2025年1月時点での公式LINEアカウントの登録者数は115万人、使用済みプラスチック容器の回収拠点は小売店・鉄道の駅など150拠点、集まったUMILE数は約17万マイル、容器の回収量は約364kgに上ります。詳細はUMILE公式HPをご確認ください。
https://www2.unilever.co.jp/umile/ecocp.html