「野良の藝術2024 創造の根源を考える」が11月2日~4日(前半)と8日~10日(後半)に、さぎ山記念公園に隣接した広大な農家の緑地(さいたま市緑区上野田)で開催される。主催はアート集団「社会芸術・寺山支部 炭焼の会」
2021年1月「天空と大地」もみ殻燻炭のダクトと蒼浩人の踊り.(画像提供=社会芸術)
同団体は20年以上の間、街や里山で出会う都市生活者や農に関わる多様な人々を巻き込みながら、都市と里山をつなぐ芸術活動を続けてきた。同イベントでは、里山緑地のオープンスペースで「野良」と芸術をテーマにアートやパフォーマンス、音楽やワークショップを体験できる。
展示作品のほとんどは土に返る天然素材で作られている。会場にある「ログドラム」は木が立ち枯れて、空洞になっていた幹を使ったもの。来場者も竹の棒でたたいて音を出すことができる。
2日のオープニングパフォーマンスとして、舞踏家の細田麻央さんが「麦の踊り」を披露する。3日には、彩のくに創作舞踊団の藤井香さんと子どもたちがダンスパフォーマンスを披露し、9日には舞踏家の小林嵯峨さんが「やまんば」を踊る。
プロジェクトのひとつ「ダイダラボッチ歩行プロジェクト」発起人の画家イイジマフヒトさんは昨年の秋ヶ瀬公園での一歩目の右足の跡に続いて、さぎ山の会場で二歩目を制作している。かかとからつま先まで50メートルほどの巨大なダイダラボッチの足跡を地上に描き、「異なる場所を結び付け、巨人の姿や大きさの想像を見る人に促す」という。
プロジェクトリーダーの彫刻家・長谷川千賀子さんは「作品から炎が立ち上がって変遷し、流転する様子や火の力、炭素の循環が起きていることを感じてもらえたら。最終日には巨大な木の作品を燃やして大地に返すのも見どころ。子どもと一緒に参加できるワークショップや音楽、麦まきも楽しんでもらえたら」と呼びかける。
最終日には参加者全員で音楽に合わせて麦まきを行う。11月8日のみ、サテライト会場の「延命寺」(浦和区本太)で行う。11月2日・3日は、さぎ山記念公園の「みぬま秋フェス」と同時開催する。前半会期と後半会期の間の、プログラムに予定のない5日~7日も屋外展示作品の鑑賞はできる。