さいたま有機都市計画のキックオフイベント「畑でマルシェとお弁当」が11月3日、こばと農園(さいたま市緑区新宿)で開かれた。
市内で就農する5人の有機農家、こばと農園・ないとう農園・マーシーズファーム・木曽農園・チルアウトファームがグループ「さいたま有機都市計画」を結成して開催したキックオフイベント。こばと農園のビニールハウス内には、色とりどりの野菜、米、加工品、コーヒーなどが並んだ。雨上がりの曇り空にもかかわらず開店前から客が訪れ、昼過ぎには完売となる商品もあった。
各農園の米と野菜を使って出張料理人・パーソナルシェフの岡部智子さんが作った「有機の畑のお弁当」100食は予約で完売。会場に用意されたテーブルでは家族連れが弁当を広げ、おいしそうに食べる姿が見られた。ご飯は木曽農園の新米。同農園のコシヒカリは95という高い食味値を記録した。さいたま市見沼区から来た女性は「お弁当がとてもおいしい。若者たちが真剣に農業に向き合って、こんなに元気でおいしい野菜を育てているのに驚いた」と話す。
マーシーズファームは青菜や大根、こばと農園は固定種の伝統野菜、ないとう農園は鶴首かぼちゃなど珍しい野菜を販売。チルアウトファームを主宰し、サウンドエンジニアでもある吉田浩之さんはDJとして音楽で会場を演出した。そのほか、YONOCAFEのコーヒー、風の谷農場のスペルト小麦で作ったスコーンや梅干しなどの加工品も並んだ。
同グループの農産物の栽培基準は2006(平成18)年に成立した有機農業推進法の定義に基づいている。化学合成農薬や化学合成肥料、遺伝子組み換え技術を使わず、環境負荷を減らし、生態系の豊かさを守りながら農産物を栽培する。
リーダーを務めるこばと農園代表の田島友里子さんは「5人が共通しているのは農業が好きだということ。これからさいたま市を有機農業で盛り上げていきたい」とほほ笑む。
さいたま有機都市計画では有機農業を一緒に行う仲間を募集している。問い合わせはメールで受け付ける。