
埼玉演劇クラブ「劇団欅(けやき)」の第79回公演「彼誰時(かわたれどき)にトンビ鳴く」が6月24日・25日、さいたま市産業文化センター(さいたま市中央区下落合5)で行われる。
元さいたま市立浦和高校の演劇部顧問を務めていた故・松木晴信さんの呼びかけで、1990(平成2)年に結成された同劇団。年1、2回のペースで公演を行っていたが、コロナ禍をきっかけに活動を休止。その間、一部のメンバーは埼玉県の「芸術文化ふれあい事業バンク」の派遣団体として子どもたちへの演劇ワークショップを行ってきた。現在の団員は、保育士、照明家、舞台監督、神職などを本職とする7人。今回が6年ぶりの本公演となる。
作品のテーマは「亡き人への思慕」。同劇団副代表・清水さえりさんによるオリジナル脚本で、ビルの屋上を舞台に、震災や疫病などにより失った大切な人への思いを抱えて生きる人々の姿を、時空や場所を交差させ描く。清水さんは「何年たとうと変わらない亡き人への思い、そして生きること。見たまま心で感じてもらえたら」と話す。
代表の星野仁志さんは「活動休止中に主宰の松木先生をはじめ運営の要となる仲間が逝去して、いろいろなものを失った。手元に何もないゼロの状態からの再スタートに途方に暮れたこともあったが、復活を望む声や退団した地域の仲間たちの支えもあり、今回の再開に踏み切れた」と振り返る。「今年で結成35周年。地域の支えがあって活動を続けることができた。今後も劇場公演やワークショップを通じて、演劇の楽しみを知る人、劇団に参加する人を育て、地域に還元していきたい。劇団に興味があれば、ぜひ声をかけてほしい」と呼びかける。
24日=18時30分開場・19時開演、25日=18時開場・18時30分開演。入場無料、全席自由。