
クラフトビールのタップルーム「GECKO TAPROOM(ゲッコータップルーム)」(さいたま市浦和区上木崎2、TEL 048-767-7795)がオープンして、5月25日で1カ月がたった。
店舗面積は約60坪。スタンディングのカウンター・テーブルに加え、ベンチ席3台とテーブル席1席を備え、日本各地やアメリカ西海岸などのクラフトビールをタップで提供する。2階がタップルームで、1階は今後、クラフトビールの醸造所になる予定。金融機関に勤務する藤井俊太郎さんと、日系の鉄鋼メーカーに勤務する豊田拓未さんが経営する。2人は3年前、MBA取得のために渡った米サンディエゴで出会い、意気投合。約200のブルワリーが集まる地で多様なビールに触れ、クラフトビールの魅力を知ったという。MBAの取得と並行して醸造技術も学び、「日本でブルワリーを立ち上げる」という現地VC向けの新規事業案のピッチも行った。帰国後、醸造設備を設けることが可能で藤井さんが浦和区出身で愛着があったこともあり、浦和を選んだ。コンセプトは「日本と世界をクラフトビールでつないでいく」。
店名の由来は、「副業する」という意味のスラング「moonlight(ムーンライト)」から。本業を続けながらブルワリーに挑戦する姿勢から「月光」へと発想を広げ、そこから「GECKO(ゲッコー)」の名称に行き着いた。「GECKO」は英語で「ヤモリ」を意味し、日本では家を守る存在として親しまれてきた。この象徴性を込め、店のモチーフには「ヤモリ」を採用した。
ビールは2サイズで、レギュラー(355ミリリットル)=1,150円、スモール=(266ミリリットル)=900円。常時5タップ(最大12タップ)を備え、缶やボトルでも提供する。約1週間ごとに種類を入れ替える。藤井さんは「スモールサイズは飲み比べに適しているので、ぜひいろいろな味を楽しんでほしい」と話す。フードは持ち込み可能で、現在はクラフトビールに合う商品の開発を進めている。子連れでの来店も歓迎しており、男子トイレ・女子トイレの両方におむつ交換台を設ける。
豊田さんは「サンディエゴのブルワリーは老若男女が集うカフェのような雰囲気。人それぞれの楽しみ方があり、そんな楽しさを共有したい。以前この地にあった『ツルヤ文具』のように、地域のランドマークとして、愛され交流を深められる場になりたい」と話す。藤井さんは「昼でも夜でも、おいしいビールと共に、心地よく過ごすひとときが、自然と日常に溶け込む場所になれたら」と意気込む。「地元の人たちが誇りに思えるビールを醸造し、その魅力を日本全国、そして世界へ発信していきたい」とも。
営業時間は、水曜・金曜=18時~22時、土曜=13時~22時、日曜=13時~20時。