シンボルツリーの栢の木
2024年11月9日に西久保観音堂(入間市宮寺)で初開催となった、「栢(かや)の木まつり」。
地区にゆかりのある4人が、「自分たちの住むまちを元気にしたい!」という気持ちのもと実現しました。構想から開催までの道のりや、その想いについて、実行委員の石尾 祥馬(しょうま)さん、田中 新吾(しんご)さんへお話を伺いました。
トピックス
- きっかけは「この地区を元気に」
- 新しく入ってきた人も交流できるおまつりを
- たくさんの応援をいただき開催へ
- 一人ではできなかったことも、仲間がいたからできた
「栢の木まつり」チラシ
栢の木まつり実行委員のみなさん(左から、石尾絵莉さん、田中 優さん、石尾祥馬さん、田中新吾さん)。シンボルツリーの栢の木の前で。
きっかけは「この地区を元気に」
──この狭山地区との関わりや、おまつりを開催するまでのきっかけなどを教えてください。
田中新吾(以下、田中)さん 狭山地区(入間市宮寺)で生まれ育ちましたが、20代30代前半は東京で暮らしました。結婚を機に狭山地区に戻ってきて、地元や入間市に自分のしてきた経験やスキルを活かして何か貢献できないかと考えていました。
石尾祥馬(以下、石尾)さん 元々は大阪の出身ですが、結婚を機に入間市へやってきました。宮寺にある、狭山茶農家 ささら屋のメンバーとして、茶業を営んでいます。農家なので、畑作業もしますし、この地区の農家の方とのつながりもありました。
一方、自分と同じ世代で、(自分と)同じように入間市へ引っ越してきた人の、「地域に参加(交流)するきっかけがなくて…」という声もよく聞くようになりました。
田中さん 同じ世代ぐらいの僕らで、家族ぐるみでよくご飯も行く中で。そこで、昔から住んでいる地元の人達と新しい人たちとが気軽に交流できるなにかをしたい、とお互い思っていたことが分かりました。
去年の夏、西久保観音堂で夏まつりが4年ぶりに開催されました。とても活気があり、地域に多世代の人たちが集まる場があれば、ここで暮らす人たちがもっと豊かに楽しくなり、この地区を元気にできる、と思いました。そして、夏におまつりがあるなら、秋にもおまつりがあってもいいのでは?と話が進みました。
会場となった西久保観音堂では、埼玉県選択無形民俗文化財「西久保観音の鉦はり」が受け継がれている
https://www.youtube.com/watch?v=kSnjICStGes
【動画】埼玉県選択無形民俗文化財「西久保観世音の鉦はり」(平成25年度に、「西久保観世音の鉦はり」映像記録製作委員会(事務局:入間市博物館)が制作した映像記録より)
新しく入ってきた人も交流できるおまつりを
──おまつりのコンセプトなど、どんなことを意識しましたか。
昔懐かしいあそびを楽しむ子どもたち
テーブル席や、お座敷席も用意
田中さん 狭山地区には新しい転入者や若年層居住者も多くいます。地区の課題として、新しく入ってきた方と、そこに住んでいた方の交流や接点が少ないと感じていました。古くからある伝統行事に、新規だと参加しづらいという側面もありました。そのため、新しいコンセプトの「栢の木まつり」が多くの交流が生まれる入口となることを期待しました。
栢の木まつりのプログラム。子どもから大人まで、楽しめるコンテンツが盛りだくさん。応援メニューもあり。
たくさんの応援をいただき開催へ
──初開催なのに、多くの企業やお店、団体などがチラシに書かれていたのが印象的でした。お祭りのプログラムも、だれでも参加できるものが多いですね。
田中さん 本当に、この地区の方とのご縁や応援があって、おまつりが出来上がりました。
西久保観音堂の近辺には企業の方もいらっしゃるので、三ヶ島製材さんから薪を譲っていただいたり、狭山金型さんからも、「土っこいしょ!」の参加賞をご提供いただいたり、当日のボランティアとして参加していただきました。近所の子どもが参加する入間太鼓さんや、(石尾さんの)母校のジャグリング部のみなさんにも、ステージ出演してもらって盛り上げてもらい、他にも市内で活動する入間ジャズクラブさんから音響機材一式を貸していただきました。
また、おまつりに参加する人も、「土にねがいを」で書いた文字は会場装飾として、みんなが参加できるように仕掛けました。
「土にねがいを」で書かれた、向こう1年で『努力したいこと』。
宮寺のさまざまな土を使った、土えのぐで文字をしたためる。
「土っこいしょ!」。一位になったグループには「土っこい賞(どっこいしょう)」が贈られる。地元の農家の方からの応援で、参加賞にネギなどの野菜も配られた。
一人ではできなかったことも、仲間がいたからできた
──「地域のためになにかやりたい!」そんな、同じ境遇の人に向けてメッセージをお願いします!
田中さん 一人ではできないから、地域の人とつながること、交流することがファーストステップとして重要だと考えています。最初から、おまつりを開催したいと思っていたわけではなく、石尾さんや地域の人との関係があって、やりたいことが見えてきました。一緒に協働することからいろいろなことができるようになっていくと思います。
石尾さん 住んでいる地区が、元気なほうがいいと思ったんですよね。そして、その気持ちを口にしてきたから仲間も一緒になって(おまつりが)開催できたと思います。できるかどうかではなく、失敗しても今はゼロの段階で、できたらそれだけでプラスと考えるくらいの気持ちでいました(笑)
やりたいことを声に出せば、同じ気持ちの人に気がついてもらえるかなと思います。
ライトアップされた栢の木
多くの人が集い、賑わう境内
レポート
地域の絆と共感を象徴するイベントをきっかけに 伝統をさらに未来へ受け継ぐ
初開催となる「栢の木まつり」が、地域の温かい共感と応援に支えられ、大成功を収めました。このおまつりは、地区のことを思う実行委員のみなさんと、その気持ちに共感した人たちが応援する形で実現したものです。
皆で協力しておまつりを開催できたこと、そして、長く住む人も新しく住むことになった人も、まつりを通じてつながれたことが他の地区でもモデルとなるのではないでしょうか。
最後に、シンボルツリーの栢の木は、市指定文化財であり、樹齢1000年を誇る入間市第一の古木です。「栢」の文字通り、栢の木まつりを通じて地域への想いを100年先へ継承し、未来へ残っていくと感じました。
入間市について
入間のパーパス
ー 心豊かでいられる、「未来の原風景」を創造し伝承する。 ー
この言葉は、100年後の未来を生きる人たちからも、入間らしい素晴らしいまちだと感じてもらえるような、心豊かで幸せなまちをみんなで共に創っていこうという「かけ声」です。
社会情勢が目まぐるしく変化していく現代社会において、従来の縦割り組織や計画等では対応しきれない場面も出てきています。
これに柔軟に対応し、心豊かでいられる社会を入間市発信で創っていくために、新たな切り口からまちづくりに取り組んでいます。
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いるま未来共創ラボ https://www.city.iruma.saitama.jp/soshiki/1/9869.html
基本情報
■ 入間市役所
所在地:埼玉県入間市豊岡一丁目16番1号
電話:04-2964-1111(代表)
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