さいたま市のプロオーケストラ「日本セントラルオーケストラ」の第1回コンサートが12月16日、さいたま市文化センター(さいたま市南区根岸1)大ホールで開催される。
さいたま市内唯一のプロオーケストラとして2023年8月、NPO法人化した同団体。今回、初めてのクラシックコンサートを行う。理事長はチェロ奏者の谷屋勇樹さん。北浦和の「ロイヤルミュージックガーデン音楽教室」代表も務めている。
谷屋さんは上尾市出身。ドラゴンクエストの楽曲に引かれ小学5年の時に両親と行ったコンサート会場で、作曲家のすぎやまこういちさんが快く握手をしてくれたことが音楽の道へ進むきっかけとなった。音楽教室の経営が軌道に乗り、自分の得てきたものを広め社会貢献することを決断した谷屋さん。長期入院で大好きなピアノができない子どもと出会い、病院にいる子どもたちに明るい音楽を届けたい思いが強くなったという。コロナ禍で学校行事が減った時期に、文化庁の依頼で演奏者として各地の学校を回り、子どもたちが音楽を楽しんでいる様子に触れたことも原動力となった。法人名には「日本の中心(埼玉)から音楽を届けたい。病気の子ども達を中心に音楽を楽しんでもらえるようになりたい」という願いを込めている。
今回のコンサートでは、普段はクラシックを聴かない人でも楽しめるプログラムを選んだという。バーンスタインの「チチェスター詩編」では、埼玉県立浦和高校グリークラブ、県立浦和第一女子高校音楽部、所沢市少年少女合唱団と共演する。谷屋さんは「コロナ禍で合唱の発表の機会が減り、やめてしまう子どもたちも見てきた。プロのオーケストラと一緒に舞台に立つ高校生を見て『私もやってみたい』と思う人が現れてくれたら」と期待を込める。
「オーケストラを作っても継続は難しいと言われることが多いが、県内の学校公演の問い合わせも頂くようになった。まだ感染の心配があると断られることも多いが、今後は病院での演奏会を中心に活動していきたい。今回のコンサートでさいたま市に新しいプロオーケストラができたことを広く知ってもらえたら」とも。
18時開演。チケットは、S席=4,500円、A席=3,500円、B席=2,500円、学生=2,000円。