さいたま市桜区の荒川河川敷にある塚本郷~Re農vationプロジェクトの竹林で現在、淡竹(はちく)が開花している。
同竹林で、竹林の管理をしながら竹細工作りなどを楽しむ大人の部活「竹林有効活用部(通称バン部)」を主催している、塚本郷~Re農vationプロジェクトの安部邦昭さんは「周辺ではこの春、同じ淡竹の開花が何カ所かで見られていた。うちの竹林もいつか咲くのだろうかと思っていたら、秋に咲き、驚いている」と話す。
竹の開花が確認されたのは11月中旬。いつものように竹林の管理作業をしに訪れ、一部で開花しているのを発見した。「竹の花は雄しべを垂らしてちょうど咲いているところで、日当たりの良い所を中心に咲いているように感じた」と安部さん。
竹の研究者による「竹林景観ネットワーク」で情報収集を担当する、東京大学秩父演習林助教の久本洋子さんは「淡竹の開花は2010年代後半から、西日本を中心に各地で確認されている現象。古文書などの資料から、120年に一度程度咲くといわれている。詳しくは分からない部分も多く、開花の情報を集めながら研究を進めている」と話す。
「竹の花は主に春に咲くが、秋に咲くこともある。数年かけて咲き続けるケースも確認されている。一度咲くと枯れてしまうといわれているが、多くの場合地下茎は生き残り、翌年の7月ごろに細いタケノコが生え、そこから竹林が再生していく。もし竹の開花を見つけた場合は、情報を寄せて欲しい」とも。
同プロジェクトの安部さんは「竹林が再生すると聞き、ほっとした。観察を続けながら、竹林が再生するように整備を続けていきたい」と今後の展望を語る。