さいたま市内・戸田市内などで焼き芋の移動販売を営む「阿佐美やいも子」さんが自らの経験を執筆した書籍「いも子さんのお仕事 夢をかなえる焼き芋屋さん」(みらいパブリッシング)が2月17日、出版された。
阿佐美やいも子さんは2005(平成17)年8月、当時住んでいた浦和にある古書店で移動販売に関する書籍を偶然に手に取り、自分で移動販売をすることを決め、mixiのコミュニティーで情報を交換しながら、同年10月にはリアカーを引いて焼き芋の移動販売を始めたという。
阿佐美やいも子さんは、「もともと調理師だったので弁当屋を始めようと思ったが、店を持つと初期費用が高く、日々のメニューを考えるのも大変と思い断念した。焼き芋屋は飲食店営業許可が不要で、リアカーであれば初期費用も少なく始められると思った」と当時を振り返る。
出店場所は、ママ友つながりや人の縁で広がっていったという。「自分の子どもが一番焼き芋を食べるので、安心安全な芋であるかが大前提。その上で、リアカーのつぼ焼きの方が甘く焼けるが、トラックの石焼きの焦げる感じが良い人もいて、おいしさは人それぞれ。客がどのような芋が好きか、マッチングを考えている」と話す。現在は5種類の芋の品種を取り扱う。
「自分はうまく人生のレールに乗れず、周囲に合わせるのも苦手で、失敗が続き、とても生きづらかった。焼き芋屋という好きな活動が見つかり、焼き芋を通じて多くの人が喜んでくれるのを感じることができて、続けてこられた」と阿佐美やいも子さん。「(本は)初めての執筆で2年かかったが、編集者に励まされながら書き上げることができた。自分のやってきたことを伝えて、誰かの役に立てたら。開業を目指す人はもちろん、日常を振り返って自分は幸せだなと感じられて、何かをやりたい人の背中を押せたら」とも。
阿佐美やいも子さんは2月22日~26日、さいたま新都心けやきひろばで開催される「さつまいも博2023」に出展予定。同書も販売する。今後の出店情報はインスタグラムで知らせる。