埼玉大学沖縄県人会が11月5日、火災で焼失した首里城の再建のため、埼玉大学学園祭「むつめ祭」で呼び掛けた支援金と出店売り上げの一部を那覇市に寄付した。
首里城の火災が発生した10月31日はむつめ祭前日。沖縄県出身で埼玉大学在学中の池原興平さんは、すぐに「学祭の売上の一部を寄付しよう」とメンバーに呼び掛け、その日の夜にミーティングを開き、翌朝には看板を完成させてむつめ祭当日を迎えたという。
出展ブースでは300円のミニ沖縄そばを1杯につき50円を支援金に充てるシステムで販売した。販売を続けるうちに「おつりを支援金にまわしてほしい」「支援金だけでも受け取ってほしい」という客が現れ始めたため、2日目からは募金箱を設置し支援を呼び掛けた。募金は3日間の学祭期間中、5万5,445円が集まり、那覇市が開設する支援金口座に送金した。
首里高校出身という池原さんは「首里城は人生の一部。琉球の歴史や文化の象徴であると同時に、思い入れのある場所だった。焼けてなくなったことがショックで、何か力になりたかった。集まった支援金を集計した時には、優しい人がこんなにいるのかと感動した」と話す。
同会メンバーで首里出身の知花さんは「部活などでも使っていた思い出の場所。自分にとってはただの世界遺産ではなかっただけにショックが大きい」と話す。学祭で主に会計を担当したメンバーの大嶺さんは「沖縄から遠く離れた埼玉の人たちも、首里城火災に関心を寄せてくれている。沖縄に行ったことがないという人も声をかけてくれてジンときた」と話す。
池原さんは「首里城再建には長い時間がかかるといわれているが、再建されるまで毎年続けていきたい」と力を込める。