さいたま市周辺の美術家らによるアートプロジェクト「美術と街巡り・浦和」が現在、行われている。
昨年の国際芸術祭「さいたまトリエンナーレ」を契機に始まった民間主導の同アートプロジェクト。うらわ美術館を始め、旧中山道沿いのカフェや商店など16カ所に美術家39人の作品を展示している。
今回、イベントを市民に広く親しんでほしいとリポーターを公募。中学生や主婦など約10人が取材を行い、ホームページやフェイスブックなどで紹介している。
中学2年生の高山広太郎さんと伊藤遥人さんは、川口市の旧芝園中のアトリエ「アプリュス」や浦和区の古民家ギャラリー・夢工房などを2週間前から取材している。彫刻家の奥村拓郎さんを担当した高山さんは「自然に出る木目が模様になって、力強さと繊細さが合わさっている。素材が鉄かと思ったら黒鉛で驚いた。いろいろな思いを込めて作っているのが分かった」と話す。
現代美術作家の花田伸さんを担当した伊藤さんは「作品名は?どんな気持ちで作っているか」など硬い表情でメモを取りながら次々に質問していた。紙に色をにじませて「移ろいゆく時の流れ」を表現しているという花田さん。ゆっくりした口調で作品を指しながら答えていた。
取材を終えた伊藤さんは「少し緊張した。美術品の見方が変わった。感動したところを書き出して、多くの人が作品を見に来てくれるようにしたい」と話した。
今月19日まで。