WHILL株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:杉江理、以下「WHILL社」)は、埼玉医科大学(所在地:埼玉県、理事長:丸木清之)保健医療学部 理学療法学科が開始した研究に協力することを発表いたします。本研究は、免許不要で歩行領域を走行する近距離モビリティ「WHILL(ウィル)」の利用前後における身体活動量や身体機能の変化を明らかにするものです。高齢化が加速する中、近距離モビリティが利用者の日常活動や身体機能に与える影響を定量的に把握することで、単なる移動手段の獲得にとどまらず、健康増進やフレイルの改善への貢献可能性についても検討します。

■研究の背景
日本の65歳以上人口比率が3割に迫り(注1)高齢化が加速する中、加齢や疾病にともなうシニアの外出機会の減少や行動範囲の縮小により、生活の質(QOL)低下やフレイルリスクの増大、要介護者の重度化などの健康課題の拡大につながると懸念されます。こうした中、日常の家事や身支度、食材の買い出しなど、短時間で軽度な身体活動を継続することは、健康維持の重要な指標と捉えられており、こうした動作を確保することがシニアの健康増進に直結すると考えられています。
その解決策の一つとして近距離モビリティは近年、免許返納前後の移動手段としても選ばれており、シニアの外出や活動を後押しする役割が期待されています。中でもウィルは、シンプルな操作性や小回り性能、段差や傾斜・凸凹道での走破性、お出かけしたくなるデザイン性に優れ、シニアをはじめ幅広い世代で利用が広がっています。

実際にウィルを日常に取り入れたユーザーからは、「ウィルを使い始めて、日常の移動やちょっとした外出へのハードルが軽減され、生活の活動範囲が拡がった」「ウィルを買う前は、600m先の病院に歩いていくのもつらく、家族に車で送迎してもらっていたが、今では、通院やお買い物など、自分の好きなタイミングで行きたい場所に気軽に行けるようになった」といった声も寄せられています(注2)。ウィルの導入により外出機会が増えることで、外出準備にともなう軽度な動作や、出かけた先での活動量の増加、社会的交流の促進が期待できます。
上記のような事例からは、近距離モビリティを使い活動量が上がることで健康増進やフレイルの予防効果が期待できますが、実際の近距離モビリティの導入前後における客観的な活動量や身体機能の変化は十分に明らかになっていません。そのため、近距離モビリティの潜在的なニーズが今後一層高まるなか、利用者の生活背景や目的も含めた実態調査が求められるようになりました。
■研究概要
本研究は、ウィルの導入前後における身体活動量と身体機能の変化の傾向を調査・分析し、近距離モビリティがシニアの日常活動や身体機能に与える影響を定量的に把握することを目的とします。

■調査概要
1. 導入前(活動量計装着開始前)
- 対面アンケート:過去1週間の身体活動状況(注3)、主な外出目的、今後のウィル使用予定、ウィルを使用したいと考える場面・目的、プロフィール情報(注4)、移動制限の有無(注5)などを確認する。
- 身体機能測定:下腿周径、握力、5回立ち上がりテスト、身長および体重を実測する。
- 活動量の測定:活動量計を入浴時以外24時間装着して測定する(1週間)
2. 導入後1週間時点
- 対面アンケート:導入後1週間のウィルの使用実態、使用感、身体活動状況などを確認する。
- 活動量の測定:活動量計を入浴時以外24時間装着して測定する(1週間)
3. 導入後3か月時点
- 対面アンケート:導入後3か月時点での1週間のウィルの使用実態、使用感、身体活動状況を確認する。
- 身体機能測定:下腿周径、握力、5回立ち上がりテスト、身長および体重を実測する。
- 活動量の測定:活動量計を入浴時以外24時間装着して測定する(1週間)
■WHILL社の協力内容
ウィルの正規販売店であるホンダカーズ埼玉西(本社:埼玉県狭山市)、ホンダカーズ川越(本社:埼玉県川越市)の販売店舗、および公式オンラインサイトなどを通じたウィルの購入者のうち、あらかじめ同意を得た方の情報(氏名と電話番号)を大学側に伝達し、対象者を紹介します。
■ウィルについて
ウィルは免許不要で歩行領域を走行できる電動車椅子規格で設計された近距離モビリティです。全4製品のうち、ハンドル型のModel Rとチェア型のModel C2は介護保険レンタルも対象で、シンプルな操作性や出かけたくなるデザイン、5cmの段差乗り越えや凸凹道の走破性、後輪を軸にその場で一回転できる小回り能力やリアサスペンションを採用した滑らかな乗り心地などを特徴としています。簡単に折りたためるModel Fは、軽量化を実現し、自宅の玄関先でも保管可能となります。


製品について:https://whill.inc/jp/
また、WHILL社は全国の自動車販売店、介護事業者、家電量販店など、計3,000店舗で製品提供・アフターサービス体制を整備しているほか、WHILL直販でも保険やメンテナンス、遠隔見守りなどの付帯サービスも充実させています。各地で試乗機会を創出しているほか、介護保険レンタルの利用希望者にはご自宅での無料試乗や福祉用具専門相談員による定期モニタリングを実施するなど、安心安全に利用いただくための取り組みも進めています。
介護保険レンタル利用について:https://whill.inc/jp/special_contents/model-c2
WHILL社は今後も、シニアの健康維持増進や自立支援に向けた研究協力を通じて、だれもが健康でいきいきと暮らし続けられる社会の実現に貢献してまいります。
<埼玉医科大学について>
埼玉医科大学は、1892年(明治25年)設立の毛呂病院を母体とし、校祖である丸木清美、丸木清浩により、すぐれた実地臨床医家を育成するという強い思いとともに、1972年(昭和47年)に創立されました。毛呂病院の歴史や理念を継承し、地域医療の充実という母体病院の信念を受け継ぎ、医療の現場で役に立つ、実践能力の高いすぐれた医療人を養成することを目的としています。
埼玉医科大学公式HP:https://www.saitama-med.ac.jp/
<WHILL社について>
WHILL社は「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションに、近距離移動のモビリティ・ソリューションでグローバルNo.1を目指しています。ハードウェアとソフトウェアを融合させたサービス体験で、身体状況や年齢などに関わらず、誰もが自由かつ快適に移動や外出を楽しめる世界の構築を進めています。
注1:令和7年版高齢社会白書(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/gaiyou/pdf/1s1s2s.pdf)
注2:ウィルのユーザーインタビュー:Model R(https://whill.inc/jp/wp-content/themes/whill-jp/pdf/iryou_kaigo/whill_karte_vol2_202510.pdf)、Model S(https://whill.inc/jp/customers-voice/user-whill-model-s-a)
注3:「国際標準化身体活動質問票(International Physical Activity Questionnaire: IPAQ)」による身体活動量の主観的評価に基づく聞き取り
注4:氏名、性別、年齢、移動に影響を及ぼす病気やけがの有無、介助の必要性、要介護度、障害者手帳の有無と等級、同居家族の有無と続柄、就労の有無と内容、家屋形態(戸建て/集合)について聴収する。
注5:日本語版改訂Gait Efficacy Scale(mGES)を用いて歩行自信度の主観的評価を実施する