イベント「ヤギと自然となかよしにver.7」が10月12日、緑のトラスト保全第1号地(さいたま市緑区南部領辻)で行われ、家族連れなどおよそ100人が来場した。主催は「未来を拓(ひら)く つなぐ・つくるプロジェクト」。
同プロジェクトは「ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究助成」を受け、精神障害者福祉施設などを運営する公益社団法人「やどかりの里」(見沼区)が地域住民と進める企画団体。見沼地域の人と人、人と自然のつながりを育むことを目的に発足した。第1回のイベントを2020年に開催。その後毎年、「見沼田んぼ」に人が集まる田植えや稲刈りの時期に行い、今回が7回目となる。
当日は入り口で、ヤギの「喜々(キキ)」「楽々(ララ)」が出迎え、来場者が餌やりを体験。2頭は同法人施設で飼育するヤギで、同法人理事長の増田一世さんは「初対面でもヤギが人と人をつないでくれて、交流のきっかけに一役買っている」と話す。11時からはNPO法人「エコ.エコ」が「緑のトラスト保全ガイドツアー」を行い「見沼田んぼ」を散策した。
マルシェ会場には、地域で活動する7団体が参加した。「まちなか保健室」では、薬剤師や精神保健福祉士などが健康や食生活の相談に応じ、障害のある人が働く「あゆみ舎」は緑のトラスト運動を応援する古本やペットボトルキャップなどの回収を実施した。「みぬま電力」は太陽光発電装置の体験会やモルックコーナーを設け、子どもたちでにぎわった。販売ブースには、見沼田んぼで活動する「環境サミット」が作る製品や、「やどかりの里」の利用者が作った軽食や野菜、近隣在住のハンドメード作家によるあみぐるみや焼き菓子などが並んだほか、地元ミュージシャングループ「アンロード」がライブを行った。
増田さんは「人が集まる場所に私たちが外へ出向くことで、助けを必要とする住民と出会ったりつながったりするきっかけにしたいと考え、このイベントを企画した。毎回来場する人もいて、来場者同士がつながる様子も増えてきてうれしい。次回は田植えの時期に行う予定なので日常の疲れを癒やしに立ち寄ってほしい」と呼びかける。
近隣在住で、毎回来場するという吉田ゆかりさんは「自然に触れられる機会が欲しくて来ている。すてきなイベントだと思う」と話す。さいたま市北区から家族4人で訪れたという柳遥斗さんは「ヤギは初めて触ったが、かわいい。毛が硬いと初めて知った」と話していた。