浦和のコーヒー専門店「NOG COFFEE BREWERS(ノグ コーヒー ブリュワーズ)」(さいたま市浦和区高砂2)が11月14日で1周年を迎えた。
オーストラリアでのバリスタ経験もある野口航太さんが、焙煎(ばいせん)士の友人ら3人で2019年8月に起業した「NOG COFFEE ROASTERS」が経営する3店舗目となる同店。同店のほか、2席ほどの客席を備えた東京・武蔵小山のコーヒー焙煎所、品川のカフェを運営している。野口さんは生豆の輸入や焙煎機の販売・メンテナンスを行う法人も運営し、「どこでも、誰でも、いつでも、おいしいコーヒーが飲める世の中を実現することを目指している」という。3店舗共、自ら輸入、焙煎した豆を使ってコーヒーを提供する。
都内2店舗は「NOG COFFEE ROASTERS」の店名で経営しているが、「コーヒーを入れる人たち」という意味を込めた「BREWERS」を店名に持つ同店では、コーヒーの抽出方法を客が選ぶことができる。野口さんは「『ハンドドリップ』では豆の状態や特徴に合わせて、バリスタが2種類のペーパーフィルターを使い分けている。『エアロプレス』は、圧力をかけて抽出するためハンドドリップよりも豆の個性を感じやすいのが特徴。抽出方法により異なる味わいを楽しんでもらえたら」と話す。「『エアロプレス』は、ハンドドリップに比べ技術に左右されにくく安定した味が出しやすいといわれている。興味を持ってくれたお客さまに当店のレシピをお伝えして、『誰でもおいしいコーヒーが飲める』日常のお手伝いができたら」とも。
近所に住むという夫婦は「1日に数回足を運ぶことも珍しくなく、週に8回のペースで通っている。コーヒーのおいしさと店員さんの人柄が魅力。コロナ禍でリモートワークも増え、家にこもって息が詰まりがちだが、この店のおかげで暮らしの合間にホッとするひとときを過ごすことができる」とほほ笑む。
野口さんは「この1年で駅前の百貨店のイベントにコーヒー豆を提供したり、近所の焼き菓子店『くみぱうんど』のケーキを当店で提供したりするなど、浦和の地とつながりつつあると感じる。一時期は入店待ちの列が続き、常連のお客さまが入りにくい状況になったが、運営方法を見直し、理想として描いた落ち着きを取り戻せつつある」と振り返る。
野口さんは「これからも『おいしいコーヒーをもっと普通に楽しめる』世の中に向けたベースづくりをしていきたい。バリスタ向けのセミナーや、新たに店舗運営を考える人々の支援などにも積極的に携わっていけたら」と意気込む。
営業時間は9時~17時30分(土曜・日曜・祝日は10時~18時)。