音楽用レンタルスペース「アトリエM」(さいたま市浦和区常盤7)が10月30日、浦和にオープンした。
グランドピアノを常設する音楽ホールに、レンタルキッチンを併設する同施設。音楽に特化したデザインや音楽企画サポートをメインとする「デザイン工房まある」の「まるやまいずみ」さんが運営する。
まるやまさんは「幼い頃に母親の影響で始めた合唱を続ける中で、音楽家は活動できる場所が少ないと感じていた。発表や練習の場を探しても、大ホールは敷居が高く、100席程度の会場は公共の施設が多いため、(公民館などは有料イベントの開催が不可のため)有料イベントの開催が難しいと実感していた。それなら自分で作ろうと思った」と話す。
コロナ禍で、まるやまさんは夫と今後の人生について話す中で、「人生120年時代。定年後を見据えて、音楽好きの夫婦の夢である音楽に特化した空間を作りたい」と夫婦で決断、アトリエMを開設した。音楽スペースは、生演奏の音を反響し天井には吸音材を用い良い響きの部屋に仕上げ、飲食店営業免許を取得したキッチンも併設した。まるやまさんは「音楽と食、音楽と芸術のコラボなど文化を身近に楽しめて、参加した人たちの交流が深まる場所になれば」と期待を寄せる。
グランドピアノは、2021年のショパンコンクールで3人のファイナリストが演奏の際選んだものと同シリーズの「SHIGERU KAWAI」を用意する。音楽ホールの座席は、現在は余裕を持たせ30席としているほか、展示会などにも使えるように長机とピクチャーレールを設置。動画配信や記録のための上からの撮影用にカメラやマイクを設置できるフックやスクリーンなどを備える。
オープン日に行われたフェスタでは、ピアノやギターの生演奏、パステルアートやイスヨガの体験レッスンなどを行い、約60人が参加した。ピアノとギター弾き語りで出演した長尾朋子さんは「コロナの影響で、人前で演奏するのは久しぶり。インスタライブなどもしていたが、やはり生演奏は緊張感がありつつも反応があるので、とても楽しい」とほほ笑む。
まるやまさんは「レンタルスペースとして気軽にいろいろな使い方をしてもらいつつ、年に数回アトリエM主催のイベントも開催していきたい」と意欲を見せる。
営業時間は9時~17時(日曜は要相談)。予約制。