イチゴ農園「しびらきファームいちご屋」のあるさいたま市桜区新開地区が台風19号の影響で10月13日現在も、広く浸水している。
2014年から商店街でパンやクッキーを製造、販売するなど、障がい者就労と自立に力を入れている「障害者支援施設しびらき」(さいたま市桜区新開3、TEL 048-839-3910)が2017年1月にオープンした同農園。1月ごろより始める「イチゴ狩り」では30分食べ放題のイチゴ狩りのほか、直売も行っている。
鴨川と鴻沼川、油面川などの中小河川が複数合流して荒川に注ぐ同地区は、荒川の水位が上昇した場合に逆流防止のために水門が閉め切られる。このため、強い雨が降った場合に道路などが冠水しやすいという。
同ファームではイチゴ栽培を行っているハウスのほか、シイタケ農園、サツマイモ畑、施設の1階も浸水している。
同施設長の相浦卓也さんは「来年1月ころに収穫できるように苗を育てていたイチゴも、11月に近所の幼稚園児がサツマイモ堀りに来る予定だったサツマイモもダメになってしまった」と肩を落とす。
ファームや、パン、クッキーの製造販売を通じ、近所の人とも繋がりが多く「近所の人は『地域のファーム』と思ってくれているので皆がっかりしている」と相浦さんは話す。「知り合いの農家さんがイチゴの苗を分けてくれると申し出てくれ、片付けを手伝ってくれると言ってくれる地域の人もいる。幸い、施設の利用者も職員も元気なので、明るく頑張っていきたい」と前を向く。
入所利用者の居室は2・3階のため、台風が通過した12日夜は居室で過ごしたという。相浦さんは「休日の過ごし方でいつもと変わらず落ち着いている。非常用の電源が落ち、(13日夜は)ランタンなどのみで暗いため、皆が不安にならないか少し心配。明日は雨が降る前に少しでも作業したい」と話す。
「水が引いてみないことには、何からやれるか今後どうなるかが予測できない。ボランティアの方を募って片付けの手伝いをお願いするかもしれない。力になっていただけたら」とも。