自家焙煎(ばいせん)コーヒー店「自家焙煎cafe 栗原coffee」(さいたま市桜区下大久保)がオープンして1カ月がたった。
栗原健さん・梨佐さん夫婦が営む同店。前職はトラックドライバーだったという健さんは、同僚に「コーヒー豆をひいて飲むとおいしい」と勧められたことをきっかけにコーヒー豆を購入し始めたところ「自分で焙煎したらもっとおもしろいのではないか」と昨年7月に焙煎機を購入、焙煎に熱中したという。器具をそろえ、独学でおいしい焙煎方法を研究し、昨年12月に退職後、今年2月からコーヒー豆の販売を始めた。自家焙煎のコーヒーと手作りの料理を提供する同店を8月3日にオープンした。
コーヒー豆は、健さんがサンプルを取り寄せ焙煎、豆をひき、コーヒーを入れてから決めるという。焙煎の前後には、虫食い豆やカビ豆、割れたりヒビが入ったりしている豆などを手作業で除去する「ハンドピック」を行う。健さんは「手間のかかる作業だが、この工程により雑味の少ないすっきりした味わいのコーヒーに仕上がる」と話す。
コーヒーメニューは常時10種類以上を用意。栗原夫婦のお薦めは「本日のコーヒー(580円)」、「カフェラテ(520円)」など。ラテアートをプリントできる機材「リップルメーカー」を導入し、カフェラテ注文客には専用のスマートフォンアプリから送信した画像でラテアートを作るサービスを行う。
コーヒー豆の焙煎や調理は健さんが行い、人気メニューの「ハンバーガー(800円)」は、ビーフ100%のパティーを使う。梨佐さんは「ランチタイムはハンバーガー屋かと思うほどの人気。会計時にお客さまからおいしかったと言ってもらえることが多く、やりがいを感じる」とほほ笑む。専用のホットサンドメーカーで調理する「トマトとバジル、モッツァレラチーズを挟んだ『トマトとモッツァレラのパニーニ(550円)』もお薦め」とも(価格は全て税別)。
「店の内装にもこだわり、職人手作りの椅子とテーブルは木に厚みと丸みをもたせ、ナチュラルで優しい雰囲気をイメージした」と梨佐さん。調理場の棚は自作するなど、健さんも店舗づくりに携わった。ままごとグッズをそろえた店内奥のキッズスペースは子連れ客に好評という。梨佐さんは「私も子どもを持つ母親なので、お母さんたちの忙しさや大変さはよく分かる。ゆっくり休んでもらえる場所を作りたい」と話す。
さいたま市のサイクルサポート施設「さいクルステーション」に認定されている同店では、自転車を修理する工具や空気入れの貸し出し、トイレの提供を行っている。荒川サイクリングロード利用者がロードバイクで来店し、休憩に立ち寄ることも多いという。
今月から営業時間を早め、モーニングメニューの提供も始めた。健さんは「今後はコーヒー豆の販売を拡大させることを目標に、最難関といわれるコーヒーの資格試験に合格したい」と意気込む。
営業時間は8時~17時。月曜定休。