さいたま市の浦和古希野球倶楽部が11月1日、岡山県で行われた第27回全日本古希軟式野球大会で初優勝に輝いた。
古希軟式野球は、7イニング制で塁間が通常より短いなどのルールが特徴。同大会では、70歳以上の選手で編成した各県の代表64チームが参加した。浦和は、東日本(東北、関東、甲信越)の代表として出場。台風の影響で2日間が延期になり、浦和は10月30日から11月1日の3日間で6試合を行った。
試合は1回戦から順調に勝ち進み、準々決勝では前年度の優勝チームの川崎ブルーソックスと対戦。初回の先頭打者ホームランで試合を優位に進め、4-0で完封勝ちした。準決勝は京都シニアスターズに1点を争う接戦になったが3-2で勝利。決勝では、還暦の野球大会で優勝経験の多い奈良ラルゴスと対戦したが、中盤の1点を守り切り1-0で初の優勝旗を手にした。最優秀選手賞は、朝比奈功一さん、勝利監督賞に松本洋さんが受賞した。
事務局の厚木昭之さん(84)は試合について「台風で日程が厳しく、自分も2試合出たが体力的にもきつかった。でもベンチでは選手だけでなく全員の声が出て活力があった。盗塁の滑り込みでケガをした選手もいたが、チーム一丸となって頑張った。優勝の瞬間は、大喜び。忘れもしない」と満面の笑み。
「浦和古希野球倶楽部」の前身は、60歳以上で編成する「浦和還暦野球倶楽部」で1990年に浦和区を拠点に野球愛好者らが発足した。ほかにも兄弟チームとして75歳以上で編成する「浦和グランド古希」、年齢問わず早朝の時間に余裕がある人が対象の「浦和GOBチーム」がある。会員数は、20代~80代の約65人。
厚木さんは「チームのモットーは『エンジョイベースボール』。松本監督の下で楽しくも時には厳しい練習の中で取り組んでいる。戦後は道具がなく、ボール1つで野球をしたり、社会人チームがいらなくなった道具を修理したりして使った。そんな時代を過ごして、今も野球が好きな仲間が集まっている」と話す。