東浦和にある「Gallery Pepin(ギャラリーぺピン)」(さいたま市緑区大牧)で現在、企画展「渡辺有葵展 音と色の間にある地図に沿って Yuki WATANABE Solo Exhibition」が開催されている。
渡辺さんは1981(昭和56)年生まれ。2006年に日本大学大学院造形芸術専攻を修了し、その後は同大で講師を務めながら、自らも意欲的に制作発表を続けている。近年は「無重力の視覚化」に挑んでいるという。会場には大作1点含む全14点の作品を展示。ピンクを基調にした画面にいろいろなモチーフが浮遊している。展示作品は全て今年の5月~7月に描いた新作。
このスタイルになったのは2010年に知人のDJの音楽を聴いたのがきっかけだった。ディープハウスというジャンルの音楽と空間がマッチする世界に感動し、それを人に伝えることができないかと考えたのが始まりだったという。その体験に加え2011年に東日本大震災が起こり、「一回絵がめちゃくちゃになり、カオスをさまよった」というほどの葛藤があり、そこから現在のスタイルが生まれてきたという。
同会場は東浦和の住宅街にある木曜のみ開廊するギャラリー。渡辺さんは「銀座の画廊や美術館だとどうしても構えてしまう。ここは家とギャラリーの中間のようなところでリラックスして見ることができる。実験的な作品も入れてみたので、ぜひ見に来てほしい」と話す。
展示を見に来ていた日大芸術学部の学生は「小さな枠の中に一つ一つのモチーフがよく収まっている。作品が凝縮されていて、この中に収まるのがすごい。決して自分ではまねできない」と感想を話す。
木曜のみ開廊。開廊時間は12時~18時。入場無料。9月7日まで。