東浦和にある「Gallery Pepin(ギャラリーぺピン)」(さいたま市緑区大牧)で現在、現代美術家・原田郁さんによる展示「IKU HARADA Solo Exhibition 2017 -circle-」が開催されている。
原田さんは山形県生まれで東京造形大学大学院を修了。コンピューター上の仮想空間の構築物や空想世界の風景をリアルのカンバスに描き続けている。2010年には群馬青年ビエンナーレで入選したほか、東京ビックサイトで開かれたGEISAI#14で「リキテックス賞」を受賞。最近では立体作品などにも取り組んでいる。
原田さんの作品は、建築に使うソフトを使ってパソコン上に架空のまちを作るところから始まる。それをさまざまな角度からカンバスに描く。「描く風景を自分で作れないか」と考えたのが現在の制作手法に至るきっかけの一つだったという。
原田さんは「最初は小さなまちだったが、何かの記念にオブジェや建物を建てるなど、8年半かけてゆっくりと広げていった。自分のライフステージの変化もあり、いつでも絵を描き続けられていたわけではないが、いつもパソコンの中でこの世界が待っていてくれた。心が折れても、描いたまちを眺めることで、自分を俯瞰(ふかん)してみることができる。永遠に広げていける日記のようなもの」と話す。
同展では丸いカンバスに描かれた風景画などの作品を展示。カンバスは同ギャラリーの丸窓に合わせて作った。直径90センチの作品5点、9センチの作品4点が並ぶ。
浦和区から来た女性は「今まで見たことない、触れたことのないような作品で驚いている。小さな作品はとてもかわいらしく、家に飾りたい」と感想を話す。
木曜のみ開廊(6月21日も開廊)。開廊時間は12時~18時。入場無料。6月29日まで。