浦和駒場体育館の館員秋山千香子さん(44)が、3月3日にアメリカのオハイオ州で行われた「アーノルドスポーツフェスティバル」の世界大会ボディーフィットネスの部で日本人女性初の4位に入賞した。
同大会は、鍛え抜いた筋肉の美しさを競う、ボディービル、ボディーフィットネスなどの選手ら80カ国1万8千人が参加する全米最大のイベント。ボディーフィットネスは、筋肉の美しさやバランスのほか、ハイヒールに装飾の付いたビキニ、立ち居振る舞いなどの「女性らしさ」も審査の対象になる。日本では、ボディービル連盟が昨年の成績を考慮し、女性6人を選出した。秋山さんは「長年憧れていた大会で米国まで何度も見に行った。入賞できて夢のよう」と話す。
15年前、デパートの店員だった秋山さん。運動不足でスポーツジムに通い始めた時にスタッフから声を掛けられ、競技を目指すようになった。初の大会出場の前に乳がんが発覚。その後、治療とトレーニングを続けていた矢先に、がんが再発し右胸を全摘出した。競技を始めて5年後のことだった。「必ず治して大会に出る」と強い志を持ち続けた。術後は、腕が上がらず筋肉のバランスが思うように取れずに悩んだという。
周りに励まされながらトレーニングを重ね、数々の全国大会で認められるようになった。「辛かった時の唯一の救いは、がんを乗り越えた人の元気な姿。今、私を見てもらうことで、病気に苦しむ人が少しでも勇気になれば」と語る。次の目標は「筋肉美の頂点。全米ではボディービル、フィットネスは普及している競技。日本にも広めて元気を届けたい」と秋山さんは力を込める。