さいたま市浦和区内を拠点に活動する紙芝居グループ「紙こばこ」が3月18日、北浦和公園(さいたま市浦和区常盤9)砂場前で紙芝居を上演した。
2000(平成12)年に針ヶ谷公民館(同区)で開かれた、紙芝居作家・中平順子さんが講師を務めた「手作り紙芝居教室」をきっかけに活動を始めた同グループ。当初は各自でオリジナル紙芝居を制作していたが、保育園や幼稚園などに読み聞かせに出向く機会が増え、徐々に紙芝居の実演が活動の中心になった。毎月第1・第3水曜に行う北浦和公園での紙芝居は、始めてから20年以上がたつ。
当日は当番4人が集合。最年長88歳の中尾加代子さんが「紙芝居自転車」で到着し、準備を開始。中尾さんは毎回、自宅から20分以上、自転車をこいでやって来る。自転車の荷台を使った手作りの演台を設置するほか、車体を覆い隠す布などを手分けして支度。出演順を決めて各自ピンマイクを装着して自転車を砂場前に移動すると、居合わせた親子連れや、遊びに来ていた保育園児たち20人ほどが砂場に集まった。実演したのは、「はーい!」(脚本=間所ひさこ、絵=山本裕司)や「ふうたのはなまつり」(作=あまんきみこ)など、乳幼児向け作品から童話まで4作。縁石に座って親子でおしゃべりしながら楽しむ様子や、絵を指さして見入る幼児の姿などが見られ、「おしまい」の声がかかると拍手が起きた。
同グループの吉田加代子さんは、グループ立ち上げのきっかけとなった紙芝居教室の企画を担当した元公民館職員。吉田さんは「公園で活動を始めてから20年以上がたつ。当初は、活動告知砂場近くのケヤキの幹にひもでくくりつけていたが、何年か前、長さが足りなくなって結べなくなった。こんなにケヤキの幹が太くなるくらい活動を続けてきたのかと驚いた」と話す。「紙芝居を見てくれる小さい子どもたちのまなざしや笑顔に元気をもらう。お母さんたちが穏やかな様子で見入ってくれている様子を見るとホッとする。公園によく遊びに来ていた園児たちが卒園する時に、『ありがとう』の手紙をくれたこともある。小さな出会いがたくさんあって、楽しく紙芝居を続けてこられた」と振り返る。
コロナ禍で訪問先を減らしたが、現在も市内のイベントや高齢者施設、市立博物館などから依頼を受けて出向いている。吉田さんは「週末のイベントのみに参加する仲間も含めて、現在の会員は5人。活動できる場所、応えられる範囲内で、楽しく活動を継続していけたら。一緒に活動してくれる人も増えるとうれしい」と話す。
同園での紙芝居は毎月第1・第3水曜の10時30分ごろから。雨天中止。出演者の都合で休みになることもある。