三室中央公園(愛称「ヌゥパーク」)が10月25日、埼玉県立総合教育センター跡地(さいたま市緑区三室)にオープンし、開園記念イベントが行われた。
2011年(平成23年)まで県の施設があった約1.4ヘクタールの土地を利活用した同公園。公民連携手法の一つである「Park-PFI」制度を活用し、民間事業者のアイデアと経営ノウハウを生かして整備を進めた。設計・建設・管理運営は、内田緑化興業を代表企業とする「ヌゥパーク共同企業体」が手がける。
跡地利用をめぐっては民間への売却も含めて検討されたが、地域住民からの強い要望を受け、最終的に市が公園として整備することを決定したという。
園内には、同市PRキャラクター「つなが竜ヌゥ」をモチーフにした遊具を設置した「遊びの広場」をはじめ、見沼田んぼの自然や農を感じられる水田エリア、子どもたちが果樹の育ち方について学べる果樹エリア、カフェやレンタルスペースを備えたコミュニティーハウスなどを設け、子どもから大人まで楽しめる空間を目指した。サクラ、コナラ、シラカシ、アカマツなどさまざまな樹木を植栽し、一年を通して花や植物を楽しめるという。
さらに、地下ピット式トイレや防火性・耐火性のある植栽、ソーラー照明灯、豪雨時に水をためるため池など、防災機能も備え、災害時には一時的な避難スペースとして活用できる防災拠点としての役割も担う。
開園記念イベントでは、「ヌゥパーク共同企業体」代表があいさつしたほか、清水勇人市長らが祝辞を述べた。和太鼓や金管バンドのステージ演奏、マルシェなども行われ、小雨の中、園内は親子連れや地元の小学生らでにぎわった。
小学1年と1歳の子どもを連れて来園した島根緑さんは「広いので子どもが思い切り走り回れる。田んぼやかかしもあって、農に触れられるのも良い。開園前から行われていた昔遊びのイベントにも来ていたので、やっとオープンしてうれしい」と話す。
さいたま市都市局都市公園課の滝田純弥主査は「子どもたちが安全に遊べる場であるとともに、幅広い世代の方に愛され親しまれる『地域の庭』となれるよう、地域住民の皆さんの声を聞きながら、より魅力ある公園として進化していきたい」と意気込んだ。
開園時間は9時~17時。